福島県に住んでいる人が、政府から放射能についての適切な情報を得ているのかについて調査した報告書をまとめた冊子が完成した。

1年が経過しても、まだ問題は続いてる


この冊子では、今年3月2日から5日にかけて国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ(以下HRW)ニューヨーク本部から来日した健康と人権プログラムの調査員ジェーン・コーエン氏とHRW日本代表の土井香苗氏らとともに、福島市と郡山市を中心に、原発事故被害者の「知る権利」の実態調査を行った模様が記されている。世界的に実績のある人権団体では、福島県に対して行動を起こしたのは、HRWが初である。

今回の調査では、妊婦やお子さんをお持ちの母親など約40人に、震災から今までの1年間をどのように生活してきたのかに焦点を当てられている。日本政府は日本の国民の健康を守る責任があるが、政府から放射能に対して適切な情報を得ているのかの質問に対しては、「今もまだ安心できていない。安全な情報を求め続けている」や「何をしたら良いのかわからず自分の子どもを守れないことに対して、憤りを感じている」などの回答があった。

冊子には、5歳の息子を持つ母親や福島第一原発から約30キロの地点で働く医師らの葛藤や悩みが克明に記されている。この冊子は定価1000円で販売されるが、これまで同団体の福島プロジェクトへの寄付金は0円であり、今後も継続した活動を行っていくために寄付金付きで2000円で販売される。(オルタナS副編集長=池田真隆)


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