大手レーベルに所属していなく、自主レーベルを立ち上げたロックバンド「nothing ever lasts(ナッシングエバーラスツ)」がソーシャルの力で日本の音楽業界を変える挑戦をしている。

ライブで熱唱するネル


ナッシングエバーラスツとは、アメリカ人ボーカルのnel(ネル・26)からなるバンドで、曲はすべて購入者の希望額に合わせるオープン価格で提供し、歩きながらのウォーキングライブや路上ライブなども開催している。「音楽が聴きたいのに、お金を出さなければ聴けないのはおかしい。お金がないなら0円でもいい。一人でも多くの人に音楽で元気になってほしい」というネルの想いからである。

ネルは、大手レーベルに所属していないと音楽活動が十分にできない現状に疑問を抱いている。その現状を変えるために、クラウドファンディング「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」に掲載し、自主レーベルで行う全国ツアー経費の一部をまかなっている。

「日本では、大手レーベルに所属していないと全国ツアーを行うことが難しい。全額自腹で50〜60万円を払わないといけないので、ほとんどのアーティストは不可能である。しかし、今ではクラウドファンディングで500円から投資を募り、全国ツアーを実現することができる。このプロジェクトを成功させて新しい音楽のあり方を追求するロールモデルとなりたい」とネルは話す。

良い音楽を決めるのは事務所ではなく、聴く人たちであるとネルは信じている。事務所に決められた音楽を作るのではなく、本当に作りたい音楽をファンと一緒に世の中に生み出していける時代がきたという。

ソーシャルメディアが普及した今だからこそ、ファンの役割にも期待する。「ファンとアーティストの間にある壁を超えて、一つのチームになり、一緒に音楽を作り上げていきたい」と話す。同バンドの全国ツアーは6月18日から7月13日までの1ヶ月をかけて行われる予定である。(オルタナS副編集長=池田真隆)


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