お茶の水女子大学付属高校は12月17日、国連が定めたSDGsを達成するためにジェンダー啓発イベントを開く。貧困や性差別に苦しむ途上国の女の子を描いた映画を上映後、LGBTワークショップを行う。(オルタナS編集長=池田 真隆)

上映する「GIRL RISING」は世界的に評価が高い

イベントで上映する映画は、「GIRL RISINGー私が決める、私の未来ー」。発展途上国で暮らす女の子たちが貧困や教育格差、性差別に悩む様子とそれらの解消につながる希望を描いた名作だ。ナレーションは、アン・ハサウェイやセレーナ・ゴメス、ケイト・ブランシェットらが務めた。

同映画の上映後、LGBT問題について話し合うワークショップを行う。会場では、フェアトレードチョコレートを使用したクッキーや不要なチョークを原料とした手作りチョーク、女性活躍推進への理解を訴えるポスターが付いたキャンディなどを販売する。

同校では2000年以前から、国際理解の教育を進めてきた。1994年には、特設講座として「国際理解教育・開発教育」に関する講座が設置され、「女性学」の授業を始めた。女性学の授業は2002年から、「国際協力とジェンダー」という科目になり、お茶の水女子大学と連携しながら、途上国の女子支援などを中心に学んできた。

2014年に同校が文科省指定のスーパーグローバルハイスクール(SGH)に指定されてからは、「国際協力とジェンダー」はグローバルな課題を探求し解決する、選択必修「持続可能な社会の探求Ⅰ」の科目になった。

この科目では、途上国の女子教育支援、LGBT、女性の社会進出など、様々なジェンダーに関連した課題を高校2年生が探求しながら学んでいる。昨年度は、カンボジアの子どもたちの教育支援として、オリジナルのクメール語教材を開発し、寄贈した。

電通ダイバーシティ・ラボは、セクシュアルマイノリティの割合は7.6%(2015年)と発表した。40人学級の中に、2~3人はいる割合。

しかし、LGBTという言葉すら知らなかったり、その存在を遠い世界のもののように考えている人は少なくない。そこで、今回のイベントを企画した。

このイベントを企画したのは、「持続可能な社会の探求Ⅰ」を受ける同校2年生の生徒18人。彼女たちは、「LGBTを含むセクシュアルマイノリティの人々が身近に存在し、悩んだり喜んだり多くの人と変わらずに生きているということを知ってもらいたい」と話す。

【What is GENDER?―未来を作るのは私たち―】
とき:2017年12月17日(日)12:15~16:15
12:15 開場
13:00 活動紹介
13:15〜15:15 映画上映、ミニトーク(高校生とゲスト:お茶の水女子大学ジェンダー研究所佐野潤子氏)
15:25〜16:15 LGBTワークショップ(先着20名)
16:25 閉場
ところ:お茶の水女子大学講堂(東京・文京)
参加費:無料
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