野田佳彦首相が2009年の衆議院選挙時に「書いてあることは命懸けで実行する。書いてないことはやらないんです。書いてないことを平気でやる。これっておかしいと思いませんか」などと街頭で演説しているユーチューブ動画がネット上で話題となっている。

「書いてないことはやらない」などと演説する野田氏の動画

動画で野田氏は、同選挙に大阪16区から出馬した森山浩之氏とともに登場。野田氏が森山氏への応援演説の中で「書いてあったことは4年間何にもやらないで、書いてないことは平気でやる。それはマニフェストを語る資格がないと、いうふうにぜひみなさん思っていただきたいと思います」などと訴え、当時の自公連立政権を批判。

また、消費税についても野田氏は「消費税5%は12兆6千億円。消費税5%分のみなさんの税金に、天下り法人がぶら下がってる。シロアリがたかってるんです。それなのにシロアリ退治しないで、今度は消費税引き上げるんですか?」と拙速な増税を戒める。

そして「シロアリを退治して、天下り法人をなくして、天下りをなくす。そこから始めなければ、消費税を引き上げる話はおかしい。徹底して税金の無駄遣いをなくすのが民主党の考え方です」と述べ、行財政改革の徹底なくしては消費税の引き上げはあり得ないとの考えを示した。同選挙で民主党は大勝して政権交代が実現、森山氏も初当選を果たした。

動画は1月にアップされ、現在までの再生回数は約49万回。野田政権が提出した消費税増税法案が衆議院で民主党と自民党、公明党などの賛成多数により可決されて以降、ツイッターでは「嘘つきは野田総理の始まり」「自分が言った事を完全に否定してる」などと書き込みが相次ぐ。

この動画について野田氏の国会事務所に問い合わせたところ、同事務所のインターンを名乗る男性は18日、「09年当時と今とでは状況が変わった。リーマンショックの影響や東日本大震災までは予見できなかった」などと説明した。(オルタナ編集部=斉藤円華)


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