「アノニマス」ならぬ「アノニバス」を名乗る集団が20日、首相官邸前で行われた抗議活動に加わった。

16日にツイッター上にアカウントが登場。「戦前の日本は『バスに乗り遅れるな』を合言葉にファシズムへと突入しました。アノニバスはバスに乗り遅れた人たちのために金曜日、官邸前を走ります」と宣言していた。

乗客はみな「カオナシ」のお面を被る


映画「千と千尋の神隠し」に登場するキャラクター「カオナシ」のお面をつけたメンバーと「アノニバス」に乗り込み、主催者に話を聞いた。

――アノニバスを走らせることになったきっかけは。

日を追うごとにデモ隊への締め付けが厳しくなるのを見て、自分たちで首相官邸前に行く方法を考えた。その結果、車両を走らせ、抗議を行うことに決めた。

――「カオナシ」をアイコンに選んだ理由は。

アノニマス同様、われわれは誰でもあり、 誰でもない。アノニマスを象徴するガイ・フォークスより、日本人にとって馴染みのある「無名の人」を選んだ。

――ツイッター上では、停留所を設け、デモ参加者を官邸前まで運ぶと言っていた。

仲間が路上で呼びかけを行い、希望者も集まった。乗車人数や道路状況の都合で、うまく機能しなかった。

――警察の検問を通過し、首相官邸前での抗議活動に成功した。今後、警戒される可能性が高いのでは。

繰り返しになるが、われわれは誰でもあり、 誰でもない。大切なことは、今日の行動が波紋を呼び、次の抗議活動で無数の「アノ二バス」が増えることだ。

極論を言えば、行動するのは私たちでなくてもいい。今日、既に数台の「アノ二バス」を見かけた。自然発生的にその数が増えれば、警察も止められないはずだ。

車を使うのは一つの解決策に過ぎない。個々人が自分の頭を使い、伝えたいことを伝えるための工夫をして欲しい。抗議活動の現場で、参加者同士が有機的に繋がり、そこから新しいアイディアが生まれることが理想だ。(オルタナ編集部=赤坂祥彦)


アノ二バス