戦地では、宗教上の問題もあり子どもに対しての取材は男性だと警戒されることがある。女性である山本さんだからこそできる取材を続けた結果、「弱者に寄り添う」ジャーナリストと呼ばれるようになったのではないかと、濱田さんは話す。
山本さんは独立系メディア「ジャパンプレス」に所属し、タリバン支配下のアフガニスタンやイラク戦争で空爆したバグダッドなどの戦地を中心に15年以上に渡り取材活動を続け、子どもや女性が直面している過酷な現状を伝えてきた。銃撃戦に巻き込まれた今回も、内戦中であるシリアで取材を行っていた。
「現場に行く事を大切にしている。信念を持っていて、まさにプロフェッショナルだと感じた」と、濱田さんは取材した当時を振り返る。濱田さんは、ジャーナリスト志望の学生であった。今年3月に大学を卒業して、通信事業会社で働いているが、ジャーナリストになる夢はまだ諦めていないという。
「女性で戦場ジャーナリストは珍しかったので取材を依頼した。命を掛けて戦場に行く山本さんの姿勢に大きな影響を受けた。今はまだ頭の中が整理できないが、落ち着いたら山本さんに取材した者として何かできることはないかと考えている」と話す。
山本さんのインタビューが掲載されている、ウェブメディア「なでしこVoice(なでしこボイス)」には、ここ2日間で多くの読者が集まり、フェイスブックの「いいね」とツイート数は300を超えた。
「非常に残念なことだが、山本さんのインタビューを掲載した1月では、そこまで記事が読まれていなかった」と、濱田さんは話す。
インタビューで印象に残っている部分は、山本さんに今の若者をどのように見ているのか聞いた質問だという。