ウインドファーム(福岡県)は、1987年から中南米のコーヒーとアジアの紅茶農園の人々と共に、森林農法や鉱山開発の反対など、フェアトレード事業を行っている会社だ。代表取締役の中村隆市氏は、福岡で経営する「オーガニックカフェTerara小屋」で、映画の上映やワークショップに加え、昨年の震災後毎週月曜日に、脱原発に関する勉強会を開催している。
参加者は、様々な経歴や年代の人々、そして関東や東北から放射線の子供への影響を考慮して避難してきた人も多い。福岡県で、避難してきた母親が子供を虐待して捕まるという事件があった。その問題を個人の問題ではなく、誰にでも起こる問題として捉えたいという意見があった。
悩みをかかえている母親に、話を聞いてもらえる場を提供し、少しでも問題解決につながれば、という思いだ。子供の心のケアの重要性も感じ、ウインドファームでは、NPO法人東北あしたの森と連携し、福島の子供達が自然体験する企画もある。
中村さんは、スリーマイル島、チェルノブイリの原発事故から原発問題に関わってきた。当時370ベクレル以上は輸入しないと決められ、国内の内部被ばくは、くいとめられた。しかし、調べてみると輸入できないものは、途上国に援助物資として送られていたものも多かった。途上国の子供達は大丈夫なのか、と疑問がわいた。
フェアトレードは国際的な提携運動で、生態系ともフェアでなくてはならない、と考えている。福岡県田川郡の赤村では、カフェのスタッフと農的な暮らしの体験ができる。都市型の生活だけが豊かな生活ではなく、原発マネーがなくても生活できる。どういう社会にしたいのか、皆で考え提案していきたい。
一週間のうちに、社会的なことを話題にする日本人はわずか6%だそうだ。イベントでは深まらなかった意識を、小さいコミュニティで継続的に行うことが重要だと感じて、始まった勉強会。それが全国へ広がり、社会が変わる要因の一つになるという希望を持っている。(オルタナS特派員=奥田景子)
株式会社ウインドファーム http://www.windfarm.co.jp/