自分のスキルやアイディアをクーポンにして販売できるサービス「OREPON(オレポン)」が先週21日、リリースされた。ユーザーはフェイスブックを持っていれば誰でも無料でクーポンを発行することができる。

リリース後すぐに完売した家入氏とのランチ券


25日時点でのフェイスブックの「いいね」数は1000を超え、オープン初日のアクセス数は2万PVを達成したという。ユーザーからは、「ソーシャルメディアで見かけて、気になっていた人物と会える」との声が聞かれている。

「気になっていた人物」とは、例えば、ブロガーのイケダハヤト氏やクラウドファンディングCAMPFIRE(キャンプファイヤー)代表で、同サービスの運営団体Liverty(リバティ)の代表も務める家入一真氏を指す。

イケダ氏はブログ運営相談券を、家入氏は起業・人生相談付きランチ券を共に3000円で発行していた。両者が発行したクーポンはすでに完売されたが、ツイッター上では、新クーポンの発行を待ち望む声も聞かれている。

モノではなく、個人のスキルやアイディアをネット上で販売するサービスは増えている。ウェブ上フリーマーケット「ココナラ」(運営・ウェルセルフ)では、出品者の経験や知識、スキルを500円均一で販売している。今年7月にリリースし、2カ月でユーザー数は8000人、取引件数は2000件を越した。

また、ネット上でユーザーからアイディアを集める「Blabo!(ブラボ)」(運営・ブラボ)では、アサヒビールやガリバーインターナショナル、リクルートなど大手企業10社以上との共創プロジェクトを生み出してきた。

ガリバーインターナショナルが東日本大震災の復興支援として行った「これからの中古車」の価値を共創するプロジェクトでは、200台の中古車を東北へ送った。

生活者個人のアイディアや特技から製品やサービスが生み出されているので、類似の商品は市場には少なく、ユニークさが売りである。オレポンでも、それは同じである。同サービスのディレクションをするカイユリコ氏(一橋大学4年)は、「毎日10人ほどからクーポン発行依頼がきている」と話す。

同サービスでユニークなサービスや、気になっていた人と出会えることも特徴の一つだが、上述した家入氏は、「地方在住者や高齢者のクーポンを発行していきたい」とのことである。自身のツイッターでは、「日本の真の隠れ遺産は、地方の主婦や高齢者にあると思う。そのような方に利用してほしい」と述べている。

カイ氏も、「特技やアイディアを切り売りすれば、誰でも自分の周りに小さな経済圏があることを知るきっかけになってほしい。ネットに詳しくない人にも利用してほしい」と話す。

同サービスを開発したリバティは、株式会社ではなく、プロジェクトをベースとして成り立っている組織である。フリーのエンジニアやデザイナー、会社員、大学生、ブロガーなどで構成されている。

今年5月に撮影したリバティのメンバー


プロジェクトに合わせたメンバーが集まり、サービスを開発する。そこで得た収益は、メンバー間で分配し、また新しいプロジェクトを起こす。仕事や学校が休みの土日や、深夜の時間帯を利用してウェブサービスを月に1本程度制作している。

これまでに、顔面を広告枠とする「顔面広告」や、おつかいを代行する「ぼくのおつかい」など、新しい働き方を追求するサービスを展開している。今年5月には20人弱だったメンバー数も、毎月15人ほどが加入し、現在は70人ほどになった。来月以降、同団体への加入希望者向けイベントも開催していく予定だという。(オルタナS副編集長=池田真隆)


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