10月20日、快晴のお台場に1765人のランナーが集まった。東京マラソン財団公式イベントである『スマイルファンラン in お台場』TOUCH WOWOW2012 忘れられない瞬間を「ともに、走ろう!」のランナーたちである。
当イベントでは、「走る喜び」を体感してもらうことを目的としている。午前中に開催された「親子ラン」には、シドニーオリンピック女子マラソン金メダリストの高橋尚子さんがゲストとして登場した。
高橋さんは、参加した約200組の親子へ、「ランニングには100人いたら100通りの楽しみ方がある。素敵な景色を見る楽しさ、仲間と走る楽しさ、目標を達成して成長する楽しさなど、今日の楽しさを忘れずに、これからも走ることで思い出を作ってほしい」と話した。
参加した子どもから、「速く走る方法は何か」と聞かれると、高橋さん流の速く走る3原則を紹介した。
「速く走るには3つあります。1つは諦めないこと。走っていて苦しいと体より先に気持ちが思ってしまうのですが、実は体はあともう1歩、2歩と行けるものなのです。だから苦しくても諦めないことです。2つ目は素直になること。苦手なことでも、何でもまずはやってみる姿勢が大事です。3つ目は目標を決めること。今日は1キロ走ったけど、1カ月後には、2キロ走れるようになっていようなどとしっかりと目標を持つことは大事です」
午後に行われた「ファンラン」には、東京マラソン2012日本人第一位で2012ロンドンオリンピック日本代表の藤原新さんがゲストとして登場した。約5キロを走る「ファンラン」には16歳以上のランナー1367人が参加した。
藤原選手は、イベントの翌日に、千葉マラソン大会にゲスト出場が決まっていた川内優輝選手に触れ、「オリンピックが終わり、何をモチベーションにしようかと思っているところなので、東京マラソンで彼(川内選手)と勝負できたらいいですね」と、東京マラソン参加への意向を表した。
当日のイベントブースでは、今大会から初導入されたチャリティ・サポートシステム「Run with Heart(ランウィズハート)」が紹介されていた。チャリティランナーとして出場を希望する参加者がウェブ上で登録し、マラソン参加への決意を表明し、寄付を募る仕組みである。
寄付先団体は、登録者が選択できる。アフリカ難民キャンプへ太陽光発電街灯の輸送・設置を行う認定NPO国連UNHCR協会や、ロンドン2012パラリンピックの日本人メダリストへの報奨金として使用する公益財団法人日本障害者スポーツ協会など6分野11団体が並ぶ。
この制度を使い10万円以上の寄付が集まった場合、2013大会にチャリティランナーとして出場することができる。今まで10万円を個人で寄付しなければいけない壁があり、チャリティランナーは世代の高い層が中心であったが、この仕組みで若年層にもチャンスが生まれる。
2011年の東京マラソンには、1000人の定員枠で694人が、2012年には、3000人の定員枠で1743人のチャリティランナーが出場した。今年は3000人のチャリティランナー輩出を目指す。(オルタナS副編集長=池田真隆)