2002年、鈴鹿サーキットで開催されたF1の前座レースで長屋宏和さんは大クラッシュし、頚椎損傷C6の怪我を負ったため、車いす生活となった。
しかし、レースに戻りたい一心でリハビリに専念し、2004年12月カートレースで復活。
そして、「いつも自分の好きな服を着たい」と考え、2005年5月、モードフィッターの母親が経営するアトリエロングハウス(東京・渋谷)の新規事業部としてオリジナルブランド「piroracing」(ピロレーシング)を立ち上げた。
長屋さんがアイデアを出し、アトリエロングハウスが形にするというフローで、主にチェアウォーカーファッション(ユニバーサルファッション)の企画・制作・販売を始めたのだ。
「チェアウォーカーファッションの企画は、お客様が選んだ洋服を、お客様の要望・ピロレーシングのアイデア、アトリエロングハウスのアイデアを組み合わせ、使いやすい商品を完成させます。障がいによって個人差があり、同じ物を作るのではなく、一人一人に合わせたものを作ります。僕が使いながら試行錯誤して完成したアイテムも、ピロレーシングのオリジナル商品として販売を行います」と、長屋さんは話す。
たとえば、同社のジーンズでは、チェアウォーカーが使いやすいポイントとして、お尻の部分の生地を縫い目の無い一枚布に工夫するなど、ファッション性に優れ、長時間座った姿勢での生活をする方や、立ったりしゃがんだりの動作の多い健常者にもお勧めという。
また、上からかぶるだけで突然の雨でも自走式・介助式共に脱ぎ着が楽な車椅子用のレインコート・雨ポンチョは、北京・カナダパラリンピック日本代表の車椅子ユーザー選手全員に使用してもらった。
他にも、車椅子上で脱ぎ着が出来る新婦用のウエディングドレスも開発。ハーフオーダーやーレンタルに応じている。(今一生)
・piroracing
・長屋宏和さん公式ブログ