掃除機を使った生徒(10)は「掃除機では隙間のごみが取れない。小さくて長いノズルがないからだと思う」と話し、厚み1cm・長さ80cmぐらいで弾力性があり、暗闇でも使えるように発光ダイオード(LED)のついたノズルを考え、絵を描いて発表した。

同社は社会的課題を解決し、革新を起こす人材を輩出することを目的に、今年5月に設立され、起業を目指す若者の支援などを行っている。

「ラーンネット・グローバルスクール」は、自分で考え行動する力を身につけるため、それぞれの生徒が興味のあるテーマを探求するプロジェクト学習などを取り入れている。双方の目指す教育が合致し、ワークショップを開催するにいたった。

同スクール代表の炭谷俊樹さん(52)は「掃除は普段あまり意識せずに惰性で行ってしまうが、このワークショップは掃除について意識して考えることができると思い、授業に取り入れた。生徒は普段と変わらず自分の意見を伝えていたが、中には結果と原因を混同して考えてしまう子もいた。繰り返し行うことでこの思考法は身につくと思う」と感想を寄せた。

同社で「Junior Innnovation Lab」を企画する経営コンサルタントの西山恵太さん(26)は「デザイン思考は、学校で学ぶ思考法とは異なることを体感してもらうことを目的に開催した。情報を集める方法は知っているが、問題の因果関係や仕組みを知ろうとしない生徒を見て問題意識を持った。詰め込み型の教育は、問題を早く解く力などの習得には役立つが、問題を発見する力は身につかない。まずはこのプログラムを塾や私立学校に導入してもらい、最終的には公立学校で取り入れてもらうことで、学校教育を変えていきたい」と語った。(オルタナS関西支局特派員=服部英美)

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