−−若者がNPOに就職することに関してはどうお考えですか。NPOに就職するメリットとリスクを教えてください。

高橋:メリットは、自分の夢や理想、希望が社会に役に立つこととつながるから、生きがいにつながることです。

リスクとしては、ビジネススキルやマネジメント力などが、一般企業に就職した場合と比べ、訓練される場が少ないことですかね。NPOが第3セクターとしての機能を強く持てていないことが原因です。受け身になっていても学べないので、常に主体的に学ばなくてはいけません。

でも、リスクはチャンスでもあります。企業に入ったからといって、やりたくないことをし続けるのは苦痛です。リスクとチャンスをどう捉えるかですね。

−−近年では、大手企業でキャリアを積んだ人がNPO業界に移っていく傾向があります。この流れでNPOも変わっていくと私は期待しています。

高橋:その流れで変わるのは、非常に偏った部分だけでしょう。つまりNPOが持つ一つのジャンルである、BtoB(対企業相手のビジネス)です。

もちろん、彼らは、企業で培ってきたビジネススキルを上手く生かしてNPO運営を行っているので、批判しているわけではありません。ただ、BtoBの分野にしか集まらないことが気にかかっています。

今まで、行政が担当していた個人へのセーフティネットの部分を誰がカバーしていくのでしょうか。行政や企業が請け負えない分野をカバーすることはNPOの大切な役割です。

BtoCのNPOが、行政や企業に頼るのではなく、個人の力を巻き込みながら成長していけば、日本はNPOの力で変わっていけるようになるでしょう。


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