福島県有機農業ネットワークの菅野正寿理事長は、福島第一原発事故の前から、二本松市で農業の再生と地域循環型の構築に取り組んできた。

「道の駅ふくしま東和」の運営を受託し、地域の野菜や加工品、特産品の製造販売などを手がけて、現在はパートも含め24人を雇用している。新規就農者も県外を含めて約30人を受け入れた。

「農民は環境の生産者。農業を守り続けていかなくてはならない」と奮起する菅野理事長は、原発事故後、放射能汚染や風評被害という新たな課題に向き合いながら農業を継続。全国各地から招きを受け、その取り組みについて発信している。

リアス式海岸の入り江や棚田など豊富な自然資源を持つ水俣市内では、各地で地域づくりの活動が展開されている。そのうち村おこし施設「愛林館」は、「エコロジー(風土・循環・自立)に基づくむらおこし」をテーマに、廃線となったJR線の駅跡地に94年に建てられた。

「今後2000年間、この地に人が住み森と棚田を守っていける村づくり」(沢畑亨・愛林館館長)を目指して、グリーンツーリズムや田援計画(でんえんプロジェクト)と名付けられた棚田保全活動など、ユニークなプログラムを展開している。

病気のつらさよりも差別の方が辛い

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