エシカルで物は売れない。私はそう思っています。

エシカルとは一時的なものではないし、これから先ずっと続いて行くものだから、そこを売りにはしたくない。

更にはエシカルな部分はお客様の目に見えないから、それを同じ様に感じて貰うことも難しいと思います。

それは、ブランドがお客様を育てていける時、感じて貰いたい事をより深く、きちんと伝えて行ける。FAMは、そういうブランドになっていきたいと思っています。

物を買う時、私自身エシカルだから購入すると言うことはありません。買物をするというのは、それが必要だったり、強烈に惹かれる魅力を持った物だから購入に至るのではないかと思います。

その魅力の一部になり得るかもしれませんが、それだけの物を優先的に買い続ける事は難しいと思います。

それでもエシカルなブランドでありたい理由は、単純にその材料や商品ができるまでに関わる全ての人に何より魅力を感じているからです。材料や人、全てがバラバラでリピートが効かない。

一見、欠点も多いように思いますが、だからその一つひとつに深く魅力を感じるし、愛情を感じます。この物があって良かったな、とか、この人が居て良かったな、とか。

そして、もう一つ。今は本当にたくさんの物で溢れています。ただ、今のように物が溢れているという時間がこれから先永く続くとは思えないです。限りある資源だから。

物は今まで様々な形で循環してきました。そのサイクルが大きく変わっている様に思います。

要らないと思う物でも誰かにとっては必要なものだったり、その物の見方を変える事で可愛く変身したり、カッコ良くなったり、デザインやアイディアを加えることで人を感動させられる。そういう物の循環に大きな魅力を感じています。

まだまだ課題も多い小さなブランドですが、FAMの試行錯誤はまだまだ続いています。(寄稿・fashionremakeFAM 藤永真理子)

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