政府が進める安全保障関連法案に反対するため大学生たちが動きだしている。若者に呼びかけている団体は、全国の大学生からなるSEALDs(シールズ:Students Emergency Action for Liberal Democracy-s)。同団体は毎週金曜日夜を中心に国会議事堂前でデモ活動を行い、今では参加者4000人を巻き込むなど一大ムーブメントとなっている。若者たちの合言葉は、「本当に止める」だ。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

デモ活動を牽引するのは、20代の若者たち=6月14日、東京・渋谷で

デモ活動を牽引するのは、20代の若者たち=6月14日、東京・渋谷で 写真はSEALDsのフェイスブックページから

同団体は6月14日、東京・渋谷でデモ活動を行った。そのデモには、若者を中心に約4000人が集まった。音楽に合わせて、政府が同法案の採決を国会の会期内で進める動きに対して反対の声をあげ続けた。

デモの回数を重ねるごとに参加人数が増えていくシールズの勢いに、著名人も加わる。同団体が国会議事堂前で主催したデモ活動には、元経済産業省官僚の古賀茂明氏、憲法学者の小林節慶応大学名誉教授らも足を運び、同法案に反対するスピーチを行った。

同法案は集団的自衛権の行使を可能にするため、衆院憲法審査会では自民党が推薦した学者を含め参考人全員が「違憲」と示した。これを受け、安倍首相は、1959年の砂川事件判決を挙げ、今回の法案は「合憲」と言い切った。

自民党青年局は国民に対して、同法案の説明をするため、街頭演説を全国100カ所で開いた。東京・新宿では、谷垣禎一幹事長が参加したが、聴衆は「憲法違反」「戦争反対」と声をあげ、谷垣幹事長は、「反対であっても国会でみなさんの代弁者を通じて、しっかり議論しようじゃありませんか」と反論した。

政府は同法案を成立させるため、国会の会期を9月まで延長して成立させたい考えだ。小林節慶応大学名誉教授は6月15日、外国特派員協会で会見を行い、「(同法案を)撤回すべき。撤回しないなら、次の選挙で倒すべき」と発言した。

若者の投票率は3~4割で、7~8割の50・60代以上の世代と比べ低い。しかし、「本当に止める」という合言葉のもと、政府に違和感を覚え、動き出した若者が増えてきた。デモ活動には、これまでにない数の若者が参加しており、若者による社会変革が加速している。

【SEALDs主催のデモ活動一覧】
6/19(金)19:30~21:30 戦争法案に反対する国会前抗議行動
6/21(日)戦争立法に反対する学生デモ in 京都 (SEALDs KANSAI主催)
6/26(金)19:30~21:30戦争法案に反対する国会前抗議行動
6/27(土)16:00~18:00 戦争法案に反対するハチ公前大集会
7/3 (金)19:30~21:30戦争法案に反対する国会前抗議行動
7/10(金)19:30~21:30戦争法案に反対する国会前抗議行動
7/17(金)19:30~21:30戦争法案に反対する国会前抗議行動
7/18(土) S4LON vol.2 「本当に止める。」
7/24(金)18:30~ 安倍政権NO!首相官邸包囲
各デモ活動の詳細はこちら

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