*この文章は、今年3月に復興支援団体SETが主催した岩手県陸前高田市広田町への現地滞在プログラムに参加した大学1年生の滝口華恵さんが綴ったものです。1週間をかけて広田町住民との交流や現状視察、漁業や農業支援などを行い、参加者自身が広田町で何ができるのか、考え抜きました。若者は復興地で何を感じたのでしょうか。



自分はこのままでいいのか。大学生活に漠然とした物足りなさを感じ、何かしたいとは思いつつ行動に移せない自分がいました。そんなとき、チェンジメーカープログラムを知り、変わるなら今しかない、ここで行動に移さなければこれから先何もできない、と思い衝動的に参加を決めました。

中央黄色い手袋の女の子 わかめ作業で


このプログラムでの大きな気づきが二つあります。一つ目は、自分の中の大切にしたい価値観です。広田の人やメンバーといるときの、自分と向き合ってくれているという感覚。

そうような、人との関わり方から生まれる繋がり。この、人との関わりを自分は大事にしたいのだと思いました。それと同時に大学生活に対する物足りなさは、人との関わりの薄さだということに気づきました。

ただ誰かといる、なんとなくみんなといる、ということが多かったように思います。これからはそうではなく、その人と向き合う、集団の中でも一人ひとりと向き合う、ということを大切にしていきたいです。

二つ目は、一歩踏み出せば何でもできるということです。自分が行動に移せない時を思い返すと、言い訳を並べできない理由を探していました。

一歩踏み出すことが怖かったのだと思います。しかし、今回このプログラムへの参加を決めたときのように、勢いでも、無理やりにでも、後に引けない状況に飛び込めば、そのあとは自然とついてくるということを実感しました。

プログラム中に言われた「できるかできないかじゃなくて、やるかやらないか」という言葉は今も私の中で響き続いています。

広田町にいた七日間で、何かに一生懸命になる自分に久しぶりに出会うことができました。一生懸命だと悩み、迷い、ぶつかることもありましたが、楽ではない楽しさがそこにはありました。これからは、人が一歩踏み出すきっかけを与えられる人になれるように挑戦していきたいです。

こんなに安心できる場所が出来ると思っていませんでした!
広田町大好きです!(寄稿・滝口華恵)