私は、エシカルというだけで物を購入する人はいないと思っています。子どもの頃「これは、身体にいいから食べなさい」と親に言われて鼻をつまみながら食べる野菜みたいな感じと言いましょうか。 

1度はちょっと美味しくなかったり、趣味じゃなかったり、高かったりしてもエシカルだからと物を購入するかもしれませんが2度目はないと思うのです。 

更に1度目のお情けの購入で買ったものでさえ気に入っていなければ使われずゴミになってはアンエシカルです。エシカルファッションと言われているブランドの運営者の中に、エシカルだから買って下さいと思っている人はいないと思います。 

現在、フィリピンのお母さんたちとものづくりをしていますが、やっていることは、他の企業とほぼ同じ。お客様に喜んでいいただける物を作って届けるということです。 

事業を進めているとエシカルとかフェアトレードとか言うのがおかしなことだなと本当に感じます。一般企業も、もっと末端の生産者の生活や人権、消費者への利益(例えば、本当の意味での安心安全など)や環境に配慮すればそんなカテゴリーが無くなり、誰も泣いていない商品が手軽にどこでも選択肢の多い中から購入できるのにと。 

早くそんな世の中になるように、今、世界で起こっている現実を他人事ではなく当事者意識を持って頂く1つの手段として、一定のクオリティのある商品に+αのメッセージとしてエシカルのカテゴリーがあると思っております。 

いつか早い時期に良い意味でエシカル○○とかフェアトレード認証○○などと言わなくていい世界になったらと考えながら事業をすすめています。(寄稿・Feliz 柿本可奈子)

Feliz 
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