世の中はたくさんのモノであふれています。私たちは毎日それらの多くの選択肢の中から消費という行動を起こしています。
その基準となるのが「性能」や「デザイン」、「価格」であり、「エシカル」だから購入するという人はほとんどいないのではないでしょうか。
必ず「デザイン」×「エシカル」であったり、「価格」×「エシカル」であったりと「エシカル」は付加価値的な要素でしかないのが現状のように思います。
たとえエシカルだからというだけで購入するとしても、それはお情け的な一度きりのもので、積極的にリピートする購入ではないように思います。
とすれば、消費者に対してエシカルという価値でモノを売るのではなく、激安ファッションや激安商品の裏には、必ず社会のひずみや被害者が存在するということを知ってもらうことが大切なのではないでしょうか?
ファストファッション(低価格衣料品)が流行り、普通では考えられないような値段で洋服が販売されています。
そのほとんどがMade in Chinaにはじまりバングラデシュ、ベトナムなど、主に発展途上国で製造されているのが現状です。
先日のニュースにも上がっていましたが、バングラデシュの縫製工場が建物の老朽化で崩落し、1,000人以上の労働者が亡くなりました。
ありえない価格の裏には、このような劣悪な労働環境や深夜までの労働に加え、低い賃金という、生きるのに精一杯な人々の犠牲があるのです。
私はそのような悲しみのもとに製造された洋服を着たいとは思いません。エシカルという価値の裏には、その商品を購入して恥ずかしくないストーリーがあります。
そのような、なぜ「エシカル」なのかという一人一人の理解が消費行動を変え、結果として社会を変えていくことができる可能性を持っていると私は信じています。(寄稿・日本財団 山崎美加)
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