エシカルという考え方の魅力はやはり商品を選択するといったことで気軽な気持ちで社会貢献をする事ができるという点です。
それと同時に、グローバル化に伴い生産効率、貨幣的な収益性を押し進めていったことにより起きた社会構造の歪みに対しても身近な問題として考えることができることも魅力であると思います。
私自身、福島県の出身で、東日本大震災で家族は実際に被災者となりました。
震災後は色々な事を考えましたが、一つ感じた事は、実際、この震災で加害者となったのは、特定の企業や人物ではなく、社会全体から見た時の構造や、体質的なモノだという事です。
特定の何かに原因があるとするならば、きっと問題は小さな事で、もしかしたら今まで私たちにとって当たり前であったモノの積み重ねだったのかもしれないと感じました。
しかしながら、私は個人的に、エシカルがいくら素晴らしいからといっても現在まで積み上げられてきた積み木をいきなり崩すということは不可能だと思っていますし、したくないとも考えております。
生活者が商品を冷静に選ぶことができる気持ちを持てば、エシカルというものを楽しめる環境になるのではと感じております。
もちろん全ての人が時間をかけて選べる訳ではないですが、現在起きている社会問題に対しても、「かわいそうだから」と、伝えるのでなくて、その解決を考える楽しさを真っ先に伝える事が大切だと感じております。
課題としても、商品のバックグラウンドを効果的に価値として伝える方法や、商品の買いやすさや、エシカルに興味を持った人が飛び込みやすくなるためのアプローチの方法をまだまだ考える必要があるという事を思っております。
私たちは主に学生で構成されている「REETH」というチームで現在、エシカルの事について分からない人にでも気軽な気持ちで参加できるような催し物の企画などを模索しております。
まだ活動してから浅いチームではありますが、少しでも新しい意味での気持ちのよい「居心地」を提供できればと思っております。(寄稿・REETH代表 清水駿成)