UターンやJターンといった地元回帰への流れは「はたらく」だけでなく、ここ数年で「結婚式」にも来ているようです。

もちろん、各地域には昔から伝わる様々な演出や様式があります。例えば、新潟県の「投げ飛ばし」や愛知県の「菓子まき」など、現地ならではの風習が今なお残っています。

こうしたいわゆる「ご当地結婚式」は今少し違った趣向に向かおうとしています。単に昔からの風習を単に取り入れるだけではなく、地元の歴史や文化を現代の結婚式とどのようにして融合させるか、という事に重点を置いたものが増えているのです。

そんな盛り上がりを背景に昨年から一般社団法人・全日本ブライダル協会が主催しているのが「ふるさとウェディングコンクール」。結婚式に地域の魅力を盛り込むことで、地域交流や家族の絆などを活性化することをテーマとしています。

昨年の観光庁長官賞に輝いたのは鎌倉市役所職員らが企画した『鎌倉ウェディング』は、メンバーの一人斎藤千夏さんの結婚式で実際に挙式として行われたもの。わ(和・輪)をテーマに、挙式を地元のお寺で行い、食事に現地の野菜や魚を取り入れることはもちろん、式場のチェアカバーを地元の野草で染め手作りをしたり、二次会場に鎌倉市景観重要建築物である旧家のお屋敷を利用するなどしている。

地元に特別な結婚式にまつわる伝統はない、という方も生かした一つで立派なご当地結婚式をつくることができるようです。「ふるさとウェディングコンクール」は今年も開催され、昨年の作品は協会ホームページで見ることができます。こんなところにも、といった新しい視点を見つけてみては如何でしょうか。(オルタナS編集部員=大下ショヘル)