イギリスで環境問題に対する啓もう活動とキャンペーンを精力的に行っているNGOにEnvironmental Justice Foundation(EJF)があります。
この団体はイギリスをベースとし環境と人権を守る活動を国際的に行っているNPOです。活動費を得るために販売しているチャリティーTシャツは100%フェアトレードオーガニックコットンを使用し、プリントに使用されているインクも、英認証機関ソイルアソシエーション(英国土壌協会)の厳しい環境基準を満たしています。
もちろんそのようなエシカルな面も素晴らしいのですが、一番のポイントはTシャツに有名デザイナーのデザインをプリントしていることです。キャサリンハムネット、クリスチャンラクロワ、ザンドラローズ、など一流のデザイナーに無償でデザイン提供を受けており、キャサリンハムレットデザインのTシャツは限定商品としてH&Mで販売もされています。
私自身もアリス・テンパリーデザインのEJF Tシャツを愛用しています。購入の決め手は「デザインがかわいい事!」。もともとエシカルの世界に興味がある私ですが、身に着けるものとなるとデザインがおしゃれではないと心から「着たい!」とは思いません。
モデルにもリリーコールやデヴォン青木など世界的に有名なモデルを起用し、オシャレをしながら社会にもいいことの両方を叶えています。2012年のヴィヴィアン ウエストウッドの秋冬のコレクションでもEJFが推進する気候変動により住む場所を奪われた環境難民のためのNo Place Like Homeキャンペーンのサポートを表明しており、多くの有名デザイナーやモデルとのコラボレーションの巧みさは、学ぶところが多々あります。
この、商品力としての魅力は確保した上でのエシカルファッションというマーケットをつくっていくことについて、日本ではまだそれが確立されていないように感じています。
社会的に影響のある人(デザイナー、モデル)でエシカルに関心のある人は増えていますし、これらの方々との連携で、日本のエシカルファッションとそのビジネスが次のステージに進むことができるのではないでしょうか。(寄稿・日本財団 山崎美加)
・日本財団
【山崎美加】
佐賀県唐津市出身。早稲田大学商学部卒業。フェアトレードや、エシカルコンシューマーに興味を持ち、2007年に渡英、英国リーズ大学でサステイナビリティ(ビジネス、環境、CR)学のマスターを取得。2010年より日本財団でファンドレイザーとして資金集めを担当する。取得資格:英国IEMA認定 サステイナビリティ(CSR)プラクティショナー、准認定ファンドレイザー、オーガニックコンシェルジュ
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