「心の風邪」に気付いたのは、いつからですか?

今や日本人の15人に1人がかかっているともいわれる「うつ病」。しかし、2000年までは「うつ」という言葉は精神科周辺以外ではめったに聞かれなかった。

なぜ、この短期間で「うつ」は爆発的に広まったのか? 90年代のユース・カルチャーを代表する映像作家マイク・ミルズは、その理由のひとつに製薬会社によって行われた「心の風邪をひいていませんか?」という広告キャンペーンがあると考え、その実態に迫るドキュメンタリーを作ろうと思い立つ。

舞台は近年、急速にうつが常識化した日本。撮影対象となる条件はふたつ。①抗うつ剤を飲んでいること。②日常生活をありのままに撮らせてくれること。

本作でマイク・ミルズは、うつ患者たちの壮絶な日常を、独特の優しく明るい目線で捉えることで、この現代を象徴する病気に対する処方箋を調合するとともに、今の日本社会の問題点も鮮やかに描き出す。

監督:マイク・ミルズ/撮影:ジェイムズ・フローナ、D.J.ハーダー/編集:アンドリュー・ディックラー/制作:カラム・グリーン、マイク・ミルズ、保田卓夫/出演:タケトシ、ミカ、ケン、カヨコ、ダイスケ(『マイク・ミルズのうつの話』(原題:Does Your Soul Have A Cold?)84分/アメリカ/2007年/英語字幕付)


「マイク・ミルズのうつの話」公式サイト
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