チャイルド・ケモ・ハウスは全国初の家族も滞在できる小児がん治療施設で、2013年中にオープン予定だ。運営開始に向けてスタッフが実践的なトレーニングを行い、小児がんを経験した子どもや支援者の家族に夏休みを少しでも楽しめる機会を提供したいという思いがイベント開催のきっかけだ。8月22日から8月24日に行われた夏のお楽しみ合宿の一環として開催され、1歳から12歳くらいの子ども14人と保護者9人が参加した。
患者が治療を続けていくなかで、いかに生活の質を向上できるかが大切だ。同施設は患者とその家族のQOL(Quality of Lifeの意。注釈1)向上を目指し、設立された。患者の生活スペースと治療を行う場所を分離して完全個室とすることで、治療施設でありながら家と同じような生活を送ることができる。
通常の病院で入院生活を送ると、保護者と一緒に過ごすことはできても、面会時間など決められていたり、兄弟も学校に通わなくてはいけなかったりと兄弟と会える時間が少ない。また、大部屋での入院だと友達とはいえほかの患者に遠慮した生活を送る必要がある。同施設では治療を行いながら長期間、保護者や兄弟と一緒に生活ができる。萩原さんは「今までスタッフのトレーニングを3回行ってきましたが、次のステップとして実践的な夏のお楽しみ実習を行いました」と話す。