桜ライン311は、2011年10月に任意団体として創設し、2012年5月に法人格を取得した。有志の陸前高田市民らで校正され、東日本大震災の津波を後世に伝えることを目指す。同市を襲った津波の最高到達点に約17000本の桜を植樹し、「桜ライン」をつくる。

現在までに、約1000人のボランティアが参加し、518本の桜が植えられている。植える土地は、ほとんどが私有地であり、1箇所ずつ所有者と交渉し、植樹活動を進める。今年4月には、獣害による枯死が見られ、これまでに植えた全箇所を確認する活動も始めた。

同市高田町出身の岡本翔馬代表(30)は、東日本大震災での経験を後世に伝えたい思いを強く持つ。岡本代表は津波で家を流されてしまった。「6.5メートルの防波堤があるし、1.5キロ離れている距離に家があったので、さすがにここまでは襲ってこないだろうと思っていたが、まさか全壊するとは」と当事を振り替える。

■細く長く付き合って

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