「天然資源の保全」を経営理念として掲げる無印良品は、IUCN(自然及び天然資源保護国際連合)レッドリストに「準絶滅危惧種」として登録されているヨシキリザメを使用したフカヒレスープを販売しています。

10月6日に開催された抗議活動は終始ポジティブな雰囲気で行われ、参加者には笑顔も見られた

私たちの呼吸に必要な酸素の70%は海から直接きており、その供給元であるプランクトンの生態数確保には、海洋生態系のバランス維持が必須です。そのため、最上位捕食者であるサメの減少・絶滅は、私たち人間の未来にも壊滅的なダメージをもたらします。

しかし、近年激増したフカヒレスープの需要によりサメは年間約1億匹も殺され、この勢いでは10〜20年以内に海から姿を消してしまう可能性が指摘されています。そのため、現在世界中で深刻な取引制限が求められているのです。

「経営理念の矛盾」、そして水銀中毒の高いリスクから「消費者の食の安全性」を突いたこのキャンペーン。本年3月に開始された署名は瞬く間に賛同者を集め、現在65000件を超えています。

"No sharks, no future" - サメのいない地球に、私たち人間の未来はない。約30人の参加者により、大切なメッセージが届けられた

MUJI TAIWAN(台湾)は同商品の販売を中止しました。アメリカのハワイ州などは既にフカヒレの提供・取引を法律で禁止。またフカヒレ料理発祥の地である中国では、政府が公の場での提供を3年以内に中止することを表明しています。

ロイター通信、ITNなどにより多数報道された6月の抗議活動に続き、10月6日に行われた有楽町店舗前の抗議活動。打楽器や音楽を用い、「よりよい未来をつくる」というポジティブなメッセージを掲げたアクションは多くの方の心に届いた様子です。

無印良品本社(㈱良品計画)は現在も署名の受け取りさえ拒絶していますが、サメ保護の必要性は世界中で高まりを見せており、いずれは同社にも判断を迫られる時期が訪れるでしょう。(寄稿・無印良品フカヒレスープに反対する抗議活動主催者・田中恵理)


署名サイト:http://chn.ge/11ddjye