覆面の現役キャリア官僚が衝撃の原発告発ノベル『原発ホワイトアウト』(講談社)を出版した。原発を推進する政界・財界・マスコミの闇のつながりや官庁の天下り、原子力ムラの実態が、詳細に書かれている。元大阪地検特捜部検事の田中森一さんも「本書が明かす日本の裏支配者の正体は、全く知らなかった」と評した。(オルタナS副編集長=池田真隆)

著者からの告発に衝撃を受ける問題作だ

物語は原発の再稼動を巡り展開される。経産省資源エネルギー庁に勤める原発推進派官僚と、天下りの実態や不正なやり取りをメディアにリークする正義感の強い原子力規制庁社員との攻防をメインに繰り広げられ、脱原発を主張する県知事や元俳優の参議院議員なども登場する。

著者は、ペンネームで若杉冽(れつ)。東京大学法学部を卒業し、国家公務員I種試験に合格、現在は霞ヶ関の官庁に勤務する現役キャリア官僚だ。内部にいるからこそ分かる実情を明かした。

元大阪地検特捜部検事の田中森一さんは、「本書が明かす日本の裏支配者の正体は、全く知らなかった。著者の勇気を讃えたい」と評した。

『原発ホワイトアウト』(講談社)