ノーベル平和賞受賞ムハマド・ユヌス氏の来日記念シンポジウムが20日、六本木ハリウッドビューティー専門学校で開催された。台風が近づく悪天候ながら、約900人の参加者が訪れ、会場は熱気に包まれた。
冒頭、観光庁長官の溝畑宏氏と作家の本田健氏が挨拶した後、大きな拍手に迎えられてムハマド・ユヌス氏が講演を行った。ユヌス氏は「人間の生きている時間は短い。だから、人生の軌跡を残すためにソーシャル・ビジネスに関わることはとても意義のあることではないかと思う」など、自身の生い立ちからソーシャル・ビジネスを手がけるようになった理由などを熱弁した。
第二部では、九州大学の岡田昌治教授、ワタミ会長の渡邉美樹氏、ソフィアバンク副代表の藤沢久美さんらも加わり、ユヌス氏を交えたパネルディスカッションを開催。ソーシャル・ビジネスとは何なのかについてパネリストたちが熱い議論を交わしていた。
ユヌス氏は最後のメッセージとして、「世界には様々な問題が山積している。世界で一番技術力とクリエイティブ(創造力)を持っている日本が傍観するのではなく、アクションを起こすべきだ」と語り、日本の若者に対して、自分の生活の維持と富を築くことに集中せず、この課題にチャレンジしてほしいとエールを送った。(オルタナS 高橋遼)