大学生が社会的課題を解決するプロモーションアイデアを競い合うマーケティングコンテストの決勝プレゼンが10月27日、東京六本木の泉ガーデンギャラリーで行われた。140チームの中から事前審査を突破した6チームが600人の聴衆の前でプレゼンし、最優秀賞には、スマフォアプリを使って、犯罪発生率の高い夜道のパトロールをランナーに行ってもらうアイデアを提案したチームが輝いた。(オルタナS副編集長=池田真隆)
マーケティングコンテストは、慶應義塾大学や日本女子大学、上智大学などの大学生20人弱から構成される学生団体applim(アプリム)が主催した。今回で5回目の開催となり、今年のテーマは、社会的課題をサービスやプロダクトで解決する、「ソーシャルグッド×マーケティング」だ。
テーマを「ソーシャルグッド」に設定した背景には、SNSの発達で情報が増加し、既存の広告効果が薄れてきたことがある。そうした中で、インパクトを増すために、世界的なトレンドとして、「社会貢献」の要素が重要視されてきた。商材にソーシャルグッドな意味合いを付けると、付加価値となり、ソーシャルメディアで拡散が見込まれるのではないかと考えた。
ソーシャルグッドなアイデアの競い合いに約560人の大学生が参加し、140チームに分かれた。審査員は、ブレークスルーパートナーズの赤羽雄二氏やツナグの佐藤尚之代表、博報堂ケトルの嶋浩一郎代表らが並び、ヤフーや博報堂、サイバーエージェントなど16社が協賛についた。
最優秀賞には、「さのうのう」が考案した、スポーツ用品メーカーの新しい価値提案と夜間の犯罪発生率抑制を可能にするプランが選ばれた。スマートフォンアプリを使い、犯罪発生率の高い夜道を、ランナーがパトロールするアイデアを提案した。
今回のコンテストでは、審査員の意向により、特別に「優秀賞」が設けられた。受賞したのは、性感染症の早期発見と医療機器製造メーカーの売上を向上するプランを発表した、「puzoole」。トイレ美化のために用いられる男子トイレの「的シール」を、尿から異常が判断できる特殊なシールに変更することを提案した。
審査員の赤羽雄二氏は、「ソーシャルグッドというほとんどの人が考えたことのない、難しい課題に正面から果敢に取り組まれてプロの方々を驚かせるようなものを提案したことや、ソーシャルグッドについて今、考えられたことが素晴らしいと思います」と講評した。