セブンスピリットは、「世界の子どもたちが子どもらしく遊び、子どもらしく学ぶことのできる社会」の実現を目指して、2012年2月に設立されたNPO法人だ。半数の子どもが義務教育を終えることができないフィリピン・セブ島で、子どもたちに同年7月から音楽教育を施し、リコーダーや鍵盤ハーモニカを使ったアンサンブル音楽の指導をしている。彼らの音楽教室に通う子どもたちの家庭の平均収入は、日本円にして一日450円ほどという。(フリーライター・今一生)

「大家族文化のフィリピンでは子どもが6~7人いることも珍しくなく、この収入で家族の生活を支えていくのはとても大変。多くの家族は不法居住地での生活を余儀なくされ、子どもたちはスラムの中でタバコ、酒、薬物、暴力、犯罪、早期妊娠、非行、児童労働、性的虐待など様々なリスクと隣り合わせの毎日を過ごしています。学校で必要な文房具などを購入するために、路上で物乞い、物売りをし、通行人の哀れみを誘いながら必死に生活をしています」(同NPOプロジェクトディレクター・野口彰英さん)

Youtubeにアップされている子どもたちの演奏風景

スラムの危険な環境で暮らしている貧困層の子どもたちは、小学校卒業時には4分の1の子どもが学校からドロップアウトしてしまうという。そこで、まわりの仲間とリズムや抑揚を合わせ、異なるパートのメロディを重ね合わせながら、楽しく音楽に取り組むことで、ライフスキルを身に付け、伸ばしていくのが目的だ。

教室を始めて1年5か月の間に、同NPOは楽器を調達し、平均10歳の50人を越える子どもたちが人気ドラマ「あまちゃん」のオープニングテーマなど20曲ほど演奏できるまでになった。クリスマスイブには、「セブンスピリット・キッズアンサンブル」として台風による被災でレイテ島などから避難してきた人向けにセブ市内の体育館で慰安コンサートを行った。

「来年2月をめどに楽器の数を増やしてオーケストラ教室に発展させる予定です。2022年に最終目標としてオペラをやりたい。ソロを歌い上げる歌手から、楽器奏者、舞台を作る人間、通訳・裏方まで、多くの人が関われるのがオペラだからです。そのために、日本から音楽のワークショップに関わってくれる方を公募しています」(野口さん)

●NPO法人セブンスピリット
http://seven-spirit.or.jp/