明日、東京都知事が決まる。各候補者は交通機関が止まる大雪にも関わらず、最後まで有権者に訴え続けた。明日誕生する東京都のリーダーに世間の関心は集まっているが、若者が選ぶ候補者にも注目している。(オルタナS副編集長=池田真隆)

オルタナSでは、オルタナティブな活動をする若者たちの取材をメインにしてきた。これまでに多くの若者の価値観に触れ、気付いたことがある。それは、「かっこいい」とは何かだ。

若者たちが、かっこいいと感じる要素は大きく分けて3つある。それは、「優しさ」「仲間思い」「誠実さ」だ。共感されるアニメも「ポケットモンスター」や「ワンピース」のように、仲間を巻き込みながら社会を変えていく物語だ。

一方、拡大が良しとされてきた高度経済成長期の方が20代のころに感じた「かっこいい」は、「一匹狼」「成り上がり」「上昇志向」だ。「明日のジョー」や「巨人の星」のようにアウトローな主人公が逆境を乗り越えていく物語に影響を受けて育った。

上の世代からすると、優しい若者たちの姿を見て、「内向的」「草食系」とひ弱に頼りなく見えるかもしれない。でも、私はこの言葉を聞くたびに、違和感を受ける。なぜなら、今の若い世代には社会変革の騎手が多くいるからだ。お世辞抜きで、たくましさを感じており、数年後を楽しみにしている。

詳しくは、オルタナSのサイトを見てほしいため、ここでの紹介は省くが、社会的問題を解決するために動いている若者の声を聞いたことがあるだろうか。ニート問題、子どもの貧困、東北復興支援、地域活性化、ありとあらゆる課題の最前線に若者たちはいる。ぜひ話しかけてほしい。

上から指示を出すだけでなく、現場で動く若者たちは、困っている当事者の声を聞いている。明日、誕生する東京都知事には、誰がなろうとお願いがある。それは、若者の声も聞いてほしいという願いだ。優しい若者たちの声を聞けるリーダーが東京を引っ張ってくれることを切に祈る。