ニュージーランド北部のムルパラで3日、家族で旅行中であった日本人少女(7)が、大型犬4頭に襲われ重症となった事故で、少女を治療している病院が基金を立ち上げていたことがわかった。再生治療にかなりの時間がかかるため、集まったお金で、両親の滞在費を支援する。少女は100カ所以上噛まれ、顔の90%を損傷した。(オルタナS副編集長=池田真隆)

ミドルモア病院が設立した基金

基金を立ち上げたのは、オークランドにあるミドルモア病院。少女は事故以来、同病院に入院している。少女の治療費は同国が負担しているが、付き添って病院住まいをしている両親は自腹で滞在費を負担している。両親は観光ビザで訪れていたため、仕事をすることができず、日ごとに滞在費の負担が重くなっていた。

ニュージーランド国内の報道では、少女の治療にかかる時間は、「不明」とされているが、一部では「5~10年」とも伝えられている。皮膚の再生治療が済んでも、精神的な傷が深く残るとされ、両親が近くで見守ることが望まれている。

少女を噛んだ犬は、闘犬として作られた雑種であるスタッフォードシャー・ブル・テリア。4頭は事故後、飼い主の依頼で安楽死させられた。少女の家族はニュージーランドに移住する目的で旅行中であった。

ミドルモア病院が設立した基金の公式サイトは、「http://www.middlemorefoundation.org.nz/」からアクセスできる。

基金設立の情報はSNSで拡散され、「犬の飼育を取り締まる法律を強化すべき」や「少女、そして見守る家族のために、できることを支援したい」といった声が上がっている。