社会起業家支援を行うアショカジャパンでは2012年から、「(東北)ユースベンチャープログラム」を行っている。このプログラムでは社会問題の解決や東北の復興に対して、行動を起こしたいという気概とユニークなアイディアを持つ12歳~20歳の若者を支援している。
アショカジャパンにより選出され、活動を続ける若者を特集する本企画。 第8弾となる今回紹介するのは、「服の交換イベントで、ファッションに興味を持つ多くの女子高生に環境の大切さを知ってほしい!」という想いを持った高校生 Shally Choiさん・井上絵梨香さん。

写真左からShallyさんと絵梨香さん

Shallyさんと絵梨香さんは、都内のインターナショナルスクールに通う高校生。女子高生としてファッションに普段からとても興味を持っている二人。そんな二人はある時「お洒落のため、たくさんの新しい服を買い、着なくなった服・飽きた服を捨てすぎている」という自分たちの現状に気が付き、「もったいない」と思ったという。

もともと環境への想いを強く抱いていたこともあり、この「もったいない」の意識を日本の高校生たちと共に高め、環境の大切さを広く知ってもらうことができないかと考えるようになった彼女たち。

高校生として何ができるのか・手を伸ばし過ぎないで自分たちに可能な範囲でできることに焦点を当てた2人は、環境とファッションとを掛け合わせたプロジェクトを企画し始めた。

女子高生だから、お洒落はしたい!けれど、新しい服が欲しいけれど、たくさん買ったらお金がなくなってしまう。それにただ外見ばかり良くなっても、人として美しくなったとは言えない。

サイズが合わない服や、元彼とのお出かけに着て行ったドレスはもう着ることができないし、着たくない。着なくなった服をただただ捨てているだけでは、環境に意識は向かない。こんな現状をどうするか。

AITAIMON(会いたいもん) はMOTAINAI(もったいない)のアナグラムだそう

そこで企画したのが、「AITAIMON」というプロジェクト。 「AITAIMON」では、10代20代の女性を対象にした服の交換イベントを行うという。

自分が着なくなった服を「AITAIMON」に持ち寄って、自分がこれから着たい服と交換する。新品の服ではないけれど、今まで自分が持っていなかった服を安く手に入れることができる。

それだけではない。自分が今まで大切に着ていた服が、ゴミ箱に行かないで誰かの大切な服になる。誰かの日常の一部になる。 女の子なら多くの人が興味を抱いている「ファッション」という入口を通じて、自然と環境の大切さを意識するようになる、そんなイベント。

このイベントで2人は、「綺麗な服に...綺麗な私に...綺麗な環境に...会いたいもん!」というモットーを掲げている。
つまり、

①綺麗な服
10代20代の女性対象の服交換イベントとして、新しい綺麗な服に出会う
②綺麗な私
このイベントを通して外見だけが変わるのではなく、環境意識を高めることで内面からも綺麗になれる
③綺麗な環境
イベントを行うことで、服のゴミを減らし、もっと綺麗な環境をつくる。服の価値を高める
という3つの目標を彼女たちは大切にし、同世代である女の子たちに伝えようとしているのである。

Shallyさんと絵梨香さんは、プラスチック製の袋を環境に配慮する面で使用したくないという思いから、現在イベントで使用する手提げ袋を新聞紙で創ることはできないかと試行錯誤中だという。

このイベントが6月22日、東京都恵比寿にある「EIJI PRESS Lab」(東京都渋谷区恵比寿南1-9-12ピトレスクビル5F)で開催されることが決定した。

自分の身の回りの範囲から。それも自分のすきなお洒落をしながらこれからの環境を良くできるなんて、わたしたち女の子にとってこんなに嬉しいことはないのではないだろうか。

ただ服をここで交換して満足ということではない。新しい服を買っても、次の人が喜んで使ってくれるように、自分が長く着続けることができるように、このイベントがきっかけで 服を大切に扱う人も増えるのではないか。

あれもこれもと範囲を広げることなく、高校生としてできる範囲にこだわり、その中で最大限のことを行う彼女たちの姿は、とてもまぶしいし誠実だ。 

東京都内に暮らす女の子たち、来月の22日「AITAIMON」で綺麗な自分に、素敵な彼女たちに会いに行ってはどうだろう。きっと新しい毎日の1日目が始まると思う。

Ashoka Japan http://japan.ashoka.org/
Youth venture blog http://ashoka-japan.org/youth/
AIRAIMON https://aitaimon.squarespace.com/