HIV感染者が多いタイのエイズ孤児院を支援する取り組みが行われている。その孤児院は、日本人女性が15年前に設立したもので、自立した運営を行うため敷地内に衣類を作るための縫製場やゲストハウスを設けている。HIV感染から子どもの将来を守る。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

バーンロムサイの子どもたち

エイズ孤児院の支援プロジェクトを起こしたのは、日本やインドなどでヨガ指導を行う寺崎由美子さん。寺崎さんが仕事の途中で偶然立ち寄った場所が、タイ・チェンマイにある施設「バーンロムサイ」だった。

バーンロムサイとは、名取美和さんが、1997年にタイを訪れ、HIV感染者と初めて会い、1999年にチェンマイに設立したものだ。そこでは、エイズ孤児たちや親と暮らすことのできない3歳から18歳までの子どもたち、30人が「大きな家族」として生活している。

敷地内に衣類を作る縫製工場や、隣接地でゲストハウスを運営しており、それらの収益で施設を運営している。縫製工場では、グラフィックデザインを学んだ名取さんがタイ人に指導し、作った衣類や小物などは日本にある「バーンロムサイ鎌倉店」で、販売している。

バーンロムサイ鎌倉店

ゲストハウスでは、宿泊代が施設の運営費となる

寺崎さんは、寄付に頼らず、地道に子どもたちを支援し続けている姿勢に、共感し、プロジェクトを考えた。

クラウドファンディングで、資金を募り、ゲストハウスに多目的ホールを建設することを目指す。孤児たちとの交流スペース、ヨガスタジオやコンサート会場として利用し、施設の運営を支える。

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