田舎暮らしや地方にコミュニティを求める若者が増えてきたなか、ビジネスや趣味としておすすめなのが「養蜂」だ。国産蜂蜜は希少価値が高く、国内に養蜂家は少ないため、開拓する余地は十分にある。養蜂家として生きる先輩たちに話を聞いた。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

昼休みを利用して養蜂を行い、いまでは6群のミツバチを育てる谷さん

今回、話を聞いたのは、就農やアグリビジネス参入を志す社会人のための週末農業ビジネススクール「アグリイノベーション大学校」(マイファーム運営)に通っている受講生たち。同スクールでは、講座は週末に開講するので、仕事を続けながらでも学べる点が特徴だ。

薬剤師をしながら、週末は成田空港近くの田畑で会員制農園の管理人を務める谷実さん(45)は、今年4月から薬局の昼休みの時間を利用して養蜂を始めた。東京の西部に蜂場を借りて、ミツバチ6群ほどを飼育している。谷さんは、「養蜂は農業の中でも家畜の部類に入るので、個々の群にタイムリーに対処する必要がある」と話す。

蜜源探しや、巣箱の設置場所には苦労するが、「蜂の生育をこまめに見守ること」がやりがいだ。蜂蜜は保存期間も長く、ビジネスとしての展開も豊富に考えられるので、田舎暮らしをしたい方にはおすすめという。

島根県で農業生産法人リセラファームを立ち上げた前本憲次社長は今年6月、利益率が高く、短期間で採蜜ができることに魅力を感じて、養蜂を始めた。前本代表は、「5年後に500群」と掲げ、事業として収益化することをめざす。「農業と両立することができれば、一事業として十分に暮らしていける」と期待を膨らます。

前本社長は、5年後に500群をめざす

前本社長は、5年後に500群をめざす

東京・町田市で農家を営む小川忠宏さん(48)も、養蜂に可能性を見出した一人だ。これまで育ててきたのは、稲作や野菜、果樹だったので、家畜は初めてだ。農業分野で生きてきたが、養蜂の業としての可能性を感じ始めた。「国産養蜂は希少価値が高く、国内に養蜂家が少ない分、障壁はあるが、開拓する余地はまだまだある」と話す。

養蜂をビジネスチャンスととらえる小川氏

養蜂をビジネスチャンスととらえる小川氏

日本で学んだ養蜂の技術を海外で生かす事例もある。大阪の造園会社Kei‘sは今年6月、東南アジアで養蜂を始めた。同社・河内進社長の、蜜蜂を飼育することで、価値の高いハチミツの生産や有機農業の実践につなげたいという思いからだ。

海外で養蜂の技術を生かす川内社長

海外で養蜂の技術を生かす川内社長

日本からスカイプを使って、ベトナム、タイ、カンボジアのスタッフと連絡を取り合う。現地では、ライチやマンゴーなど果樹栽培を並行して行っている。「野菜の生育状況は確認できても、ミツバチの飼育状況は臨機応変に対応しづらいので、現地スタッフとの信頼関係を築き、丁寧に進めていくしかない」と話す。

「日本で見かけるハチミツはほとんどが中国産かヨーロッパ産なので、東南アジアで日本法人が育てたハチミツをどう逆輸入するのか、可能性を感じている」。

◆採用情報◆
株式会社マイファーム
会社サイト:http://myfarm.co.jp/
所在地:京都オフィス 京都市下京区朱雀正会町1番1号KYOCA会館3階
新橋オフィス 東京都港区新橋5丁目8番4号柴田ビル7階
職種名:営業スタッフ
職務内容:
①マイファームが展開する「農園事業」「教育事業」「農産物生産事業」、全ての事業を広い視野で捉え、様々なお客様に対し提案営業を行います。
②生産者と消費者・飲食店・加工業者を繋ぐ農産物流通の営業を行います。

【営業案件例①】
・農地オーナーと連携協力し、新規体験農園の開設を行う。
・教育事業で展開する講座を必要な企業、団体へ提案する。
・法人と連携し「農」をテーマとした街づくりプロジェクトの企画、提案、調整、推進を行う。

【営業案件例②】
・全国の生産者を開拓し、一般消費者や飲食店、加工業者等に農産物を提案する。
・その後の流通経路の調整、納品、顧客フォローを行う。
※①②を複合的に行える方歓迎

採用予定数:中途10名
応募資格:農業に対する情熱があること。
①提案型の営業経験1年以上あること。
②農産物流通の営業経験が1年以上あること。
※農業・農産物に関する知識、経験、生産者や顧客との繋がり等がある方歓迎

勤務時間:セルフコントロール(裁量労働)制(コアタイム 9:00~15:00)
休日・休暇:土日祝日(事業部によって土日祝の勤務あり)、年末年始(5日)、有給休暇、産前産後休暇、育児休暇
賃金:月給24万円以上
※農園マネージャーは18万円以上・営業スタッフは月給30万円以上・東海エリアマネージャーは28万円以上
※経験・能力によって変動あり
就業場所:同上
試用期間と本採用までの期間と両条件:3ヶ月間
待遇・福利厚生:昇給あり、交通費全額支給
備考:特になし
問い合わせ先:メール(recruit@myfarm.co.jp)もしくはお電話(075-746-6213/担当:橋本)でお問い合わせください。