「学校では、全員参加の話し合いで物事を解決していく民主的な社会をつくりたい」。こう語るのは、子どもの個性や生活体験を大切にするオルタナティブ・スクール、NPO法人箕面こどもの森学園(箕面市)校長の藤田美保さん(41)。これまで影響を受けた人との出会い、目指す社会像について聞いた。(聞き手=オルタナS関西支局特派員・宮武 由佳)

「子どもたちと『どうして私たちはこの世にいるのだろう?』というテーマで話し合ったという藤田美保校長=NPO法人箕面こどもの森学園(箕面市)

「子どもたちと『どうして私たちはこの世にいるのだろう?』というテーマで話し合ったという藤田美保校長=NPO法人箕面こどもの森学園(箕面市)

――経営をしていくうえで生まれた思いとは何ですか。

藤田:さまざまな価値観を持つ人との対話を大切にする民主的な社会をつくりたいという願いです。設立当初は小さな民家を借りて運営していましたが、外部に私たちの活動を広げようと考え5年前に今の広い場所に移動し、目標は「学校づくり」ではなく「社会づくり」だと思い直しました。

子どもたちが民主的な社会を形成する一員となるには、小学校でどのような学びをすべきか考えカリキュラム作りをしています。

――「大阪を変える100人会議」に参加していかがでしたでしょうか。

藤田:大阪を盛り上げたいという思いを持つ仲間が集い、多様な課題の解決に向け、共同で活動しています。例えば、グリーンガーデンとのコラボです。グリーンガーデンは、野菜を採って料理し食べる体験の場を提供する貸農園です。

合同で今年9月に食育に関するイベントを行います。また、子育てをする父親を支援するNPO法人ファザーリング・ジャパン関西とは、子どもに本気で向き合える理想の父親像について模索中です。

心身ともに健康な子どもを育てるうえで、教育と食育や子育てとは密接に関係しています。このように、さまざまな団体や個人の方とつながることで新たな発見ができることを期待しています。

――これからの目標を教えてください。

藤田:「多様な学び保障法」という法律を日本に作ることです。まずは箕面こどもの森学園の存在を多くの人に知ってもらい、最終的にオルタナティブ・スクールが学びの選択肢となるような社会づくりを目指します。人との出会いを通して、目指す社会の実現に向け、これからも教育という切り口で取り組んでいきます。

NPO法人箕面こどもの森学園
http://kodomono-mori.com/