混迷する日本のエネルギー問題について大学生が考えた提言を発表するシンポジウム「エネルギーの未来2011」が12月18日に東京千代田区で開催された。

学生たちに講評する猪瀬直樹副都知事


主催はダイヤモンド社の人材育成支援サイト「メンター・ダイヤモンド」。当日は学生や社会人合わせて約100名が会場に集まった。このプロジェクトは全国の学生80人が10月から12月にかけて、2度の合宿や各地の原発を周るフィールドワーク、飯田哲也さん(環境エネルギー政策研究所所長)をはじめとする有識者への取材などを通して、「私のエネルギー提言」として提言書を作成し政府に提出するものである。

18日のシンポジウムでは、80人の中から選抜された6名の学生が代表して発表した。「エネルギー政策は地方に委ねるべき」や「家庭やコミュニティ単位で発電するべき」などが主張された。会場には猪瀬直樹副都知事や、原発事故の被害を受けた東海村の村上達也村長なども講評者として参加した。

村上村長は「原発は化け物。再稼働を前提とするのではなく、福島県の避難者救済の視点から議論を始めるべきである」と評し、猪瀬副都知事も「原発に関心を持ち熱心に調査することはいいが、もっと現場を見て身体で体感しなければいけない」と両名とも発表した学生に対して厳しいコメントをよせた。

シンポジウムを終えて12月20日、21日に提言書は各党党首に提出された。中でも公明党の山口那津男代表は「3月11日を国民の休日『安全の日』」に制定する提案には賛意を示し、後日その模様は公明党ウェブサイト内でも公表された。今後、学生の声は政府にどう影響を与えるのか期待である。(オルタナS特派員 池田真隆)


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