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東京には世界有数の「油田」があることをご存知だろうか。

株式会社ユーズ(東京・墨田)が運営する「TOKYO油田2017」というプロジェクトでは、使用済みの天ぷら油を回収し、バイオディーゼル燃料や家畜の飼料、畑の肥料に生まれ変わらせることで、循環型社会の実現を目指す。

家庭と飲食店の年間の天ぷら油使用量は、それぞれ約20万キロリットル。飲食店からの廃油は、回収業者が大部分を再資源化するが、家庭からの廃油は、大部分が廃棄され、直接水道に流せば水質汚濁の原因になる。

そこで、「TOKYO油田力2017」では、廃油の回収を仕組み化し、トラックでの回収便や直接発送での廃油の受付、さらには年間手数料1万円で定期回収をする回収ステーションの設置を行っている。

回収された廃油はVDF(ベジタブル・ディーゼル・フューエル)という燃料にリサイクルされ、廃油100リットルあたり95リットルものVDFが生成できる。軽油に比べ黒煙は半分で、硫黄酸化物はゼロ、というクリーンエネルギーになる。

何気なく捨ててしまいがちな天ぷら油だが、ちょっとした工夫で立派な資源として利用できる。あなたも明日から「油田」開発してみてはいかが?(オルタナS副編集長 高橋遼)


■参考URL
TOKYO油田力2017
http://tokyoyuden.jp/