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マサチューセッツ工科大学(MIT)の院生らが、M13ウイルスの遺伝子組み換え版で太陽電池の電力変換効率が約3割も向上するとの研究を、4月に発表した。

使われた太陽光電池は安価で軽量な「色素増感型」というもの。仕組みは光合成と似ており、光に反応した色素が電子を放出することで電気が発生する。しかし、その発電効率が課題となっていたため、以前から様々な研究が行われてきた。

そこで登場するのが、今回のウイルスとカーボンナノチューブ(CNT)を組み合わせた方法だ。

CNTは発電効率を高める作用があるのだが、内部でうまく配置できないと効果を発揮できなかった。そのCNTをきちんと制御するためにウイルスが活用される。発電効率が8%から10.6%にまで上がったとの実験結果も出た。

脚光を浴びる太陽光電池だが、ウイルスが未来のエネルギー界で活躍する日は近い。(オルタナS 高橋遼)


■参考URL
Nature Nanotechnology
http://www.nature.com/nnano/journal/v6/n6/full/nnano.2011.50.html