有志で集まった若者たちの団体「United Youth」が、およそ16~35歳の声を政策に反映させるための、プラットホームを構想している。同プラットホームで、学生団体や経済団体青年部、NPOなどを巻き込む。若年層の意見を集約し、大臣と意見交換する機会をつくる。(オルタナS副編集長=池田 真隆)
同プラットホームでは党派を限らず若者と政治家との対話の場を作っていく考え。多くの若者団体と連携して若手国会議員とのパネルディスカッションなどを通じ、若者の声を政治へ届ける場づくりをすることを計画している。
今後は、全国の学生団体・経済団体の青年部・NPO団体・各政党の学生組織などと協力し、将来的には500団体を集める。定期的に内閣担当大臣や各大臣との意見交換会を設け、若者の声を社会に発信することを目指す。
United Youth代表の福島宏希氏は、「国内には、若者の声をまとめるプラットホームがない。まずは、特定の課題に焦点を当てるのではなく、政治について考える機会をつくりたい」と話す。
2009年に成立した、「子ども・若者育成支援推進法」では、若者の意見を施策に反映させていくように取り決められている。しかし、同法で各自治体に設置されることが求められている「子ども・若者支援地域協議会」は全国1741自治体のうち、58にとどまっている(2013年10月時点)うえに、子どもや若者の意見を地域や国づくりに取り入れる施策は不十分だと福島さんらは考えている。
イギリスやスウェーデン、フィリピンなどでは、政策に影響を与える学生・若者組織がある。これらの組織をモデルとし、同団体の活動を進めていく。
福島氏が政治参加を進める活動を始めた原点に、「弱い者いじめが嫌い」という思いがある。福島氏は早稲田大学1年のころから、環境活動をする学生団体に入り、大気汚染や気候変動に対して学んでいた。
環境を学んでいくと、先進国の犠牲になった途上国の姿が見えてきたという。そして、「弱い者いじめ」している現状を変えたいと決意する。早稲田大学を卒業後、フロリダ州立大学大学院に入学し、公共政策を学んだ。
そこで、弱い者いじめの構図は、環境面だけでなく、政治の世界でも起きていると気付く。貧困など、個人ではどうすることもできない課題を、若者やNPOの力で解決したいと動き出す。
洞爺湖G8サミットに向けたユースの分野横断プロジェクト「Japan Youth G8 Project」を主宰し、環境副大臣へ提言を提出。2012年には、「リオ+20(国連環境開発会議)」に政府代表団顧問として参加した。
現在は、社会的課題に対してアプローチする若者を支援するUnited Youthを立ち上げて、代表として活動している。同協議会では、「若者の意見が良い悪いという前に、まずは声を上げて、その声をきちんと届ける仕組みをつくりたい」と意気込む。
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