経済的に困難な状況に置かれながらも、自分たちの好きな音楽を演奏し続けるキューバミュージシャンを追いかけたドキュメンタリー「Cu-Bop(キューバップ)」が完成した。同映画では、同国に残り音楽活動を続ける者やジャズの本場米国に移住する者などが登場する。製作資金をクラウドファンディングで集めた日本人監督が、気まぐれだが才能豊かな彼らを追い、「音楽が生まれる瞬間」を執念で記録した。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

キューバ音楽ホールでの制作風景 写真:高橋慎一

キューバ音楽ホールでの制作風景 写真:高橋慎一

ハバナの片隅の古びた住宅地、ニューヨーク・ハーレムのディープなラテン人居住区、カメラは至近距離でミュージシャンたちを記録し、生活とともにある本物のキューバ音楽を生き生きと描き出す。

同映画の監督は、高橋慎一氏。高橋氏は2001年、キューバ専門のレコードレーベル「Kamita Label(カミタレーベル)」を立ち上げた。10年以上に渡り、キューバ音楽を支援する活動を行ってきた。高橋氏とキューバンミュージシャンとで、長きに渡る信頼関係があったので、商業的なミュージックビデオとは一線を画す、今回の撮影が可能となった。

映画のラストには、ニューヨークへと渡った無頼派ピアニスト・アクセル・トスカのキューバ帰国ライブが収録されている。迎え打つのは、天才サックス奏者セサル・ロペス。

米国・キューバ両政府の正式な許可を得ないまま行われた異例のセッションは、どのような結末を迎えるのか。

同映画の製作資金は、クラウドファンディングで集め、110人から108万円が集まった。

出演しているのは、セサル・ロペスと彼が率いるキューバを代表するジャズバンド「アバナ・アンサンブル」。そして、2008年にキューバから米国に移住したピアニスト、アクセル・トスカと、彼がニューヨークで出会ったミュージシャンたちと結成したジャズバンド「ユニティ」。

そのほかにも、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブの新ピアニストとして活躍するロランド・ルナ、キューバを代表するパーカッショニストのアデル・ゴンサレスなど、同国を代表するミュージシャンが数多く出演している。現在、上映先を探しており、自主上映イベントなどを希望する人は公式サイトからコンタクトを。

◆「Cu-Bop」の予告↓

・Kamita Labelはこちらから

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