NPO法人チャリティーサンタは「サンタクロースからの手紙を届ける」というサービスを始めた。同サービスを始めた狙いは、「サンタクロースが来た」という感動体験をより多くの家庭で実現するため。同団体では、クリスマスの日にサンタクロースに扮した社会人が子どもの家にプレゼントを届ける活動を行っているが、依頼数が増し、対応しきれていなかったという悩みがあった。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

サンタクロースになりきる社会貢献活動、それがチャリティーサンタ

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同団体が始めたサービスは、「家族で楽しめる、サンタクロースからの手紙」という名称。申し込むと、12月20日~23日にかけて、「手紙」「封筒」「魔法のカギ」が家に届く。手紙は、漢字・ひらがなが選べ、子どもの名前が記されている。同団体が書いた文章(2種類)に加えて150字程度の親からのメッセージも入っている。

手紙には、「クリスマスイブの日にドアノブにカギをかけてくれ」と書かれており、同封している魔法のカギを、子どもにかけてもらう。翌朝、プレゼントがあることで、「本当にサンタクロースが来た」と、子どもに感動体験を与えることを狙った。

「サンタさんと自分のふたりのヒミツ」を通じて、子ども達の想像力に働きかけるパターン

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子ども達に新たな気付きを届け、優しさをはぐくむパターン

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手紙は1通1500円で、2通目からは1300円。その内の一部が、児童養護施設の子どもたちに贈るプレゼント代に寄付される。同団体では、クリスマスイブの日にサンタクロースに扮した大人が、依頼のあった家庭にプレゼントを届けるが、都内の児童養護施設にもプレゼントを届けにいく。

同団体の清輔夏輝代表は、「依頼があっても、人がいないことで届けられないエリアに、感動体験を広げたい」と同サービスへの思いを語る。クリスマスイブのサンタクロース役の大人は、すべてボランティア。札幌、仙台、東京、名古屋、広島、福岡など16都道府県21地域に支部があり、総数は2000人。

サンタクロース役には男性が、サポート役には女性がつく。ボランティアとしてのかかわりだが、応募した人のほとんどが社会貢献活動をしたことがないという。「ワクワクする」「子どもたちを喜ばせたいから」という理由で20代から30代を中心に集まってくる。

2008年に任意団体として始まり、今年NPO法人化した。立ち上げ初年度に、プレゼントを届けた家庭は120ほどだったが、今年の依頼数は2000を見込む。「サンタクロースに出会えた」という子どもの感動体験は、大人もサンタクロースになれたと実感し、一生忘れられない経験となると好評だ。

ボランティア数とともに、依頼数も増して、カバー仕切れなくなったので、手紙のサービスを思いついた。清輔代表は、「過去に福島、いわきから依頼が来たが、支部がなくて届けることができなかった。そのような地域には、手紙で感動体験をつくれたら」と話す。

清輔代表が、チャリティーサンタの活動を始めたきっかけは、6歳のころにサンタクロースに扮した大人が家に来てくれたことだ。この感動体験を次の世代にも伝えたいと、活動を始めた。「どんな人でも思いやりの心を持っている。ただ、行動に移す場面がないだけ。サンタクロースをきっかけに、人の思いやりがつながる社会にしていきたい」と意気込む。

お知らせ サンタクロースからの手紙を申し込みたい方はこちら 12月8日まで受付。先着1000名
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