「『エシカル男子の会』をつくる会」(代表:稲葉哲治)は11月30日、「ソーシャルな働き方で 0→1 を創る!」をテーマにローンチカンファレンスを開催した。学生から40歳代まで40人弱が参加。定義がない「エシカル」と「男子」をキーワードにトークショーが行われた。同イベントの模様を、同団体代表の稲葉哲治氏より寄稿してもらった。
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開会の辞として稲葉より、エシカルの概念をエコやロハス、フェアトレードからパラレルキャリアなどまでも含む幅広いものと捉える紹介が行われ、当イベントを「それぞれのエシカルを見つける場としてほしい」という呼びかけがなされました。
次に、オルタナSをきっかけとしてコンゴ支援につながる「メロンパンフェスティバル」を主宰した平井萌さんより、メロンパンを使ったアイスブレイクが行われ、ユニークなアイディアとメロンパンの美味しさに参加者たちもリラックスした様子でした。
続いて再び稲葉より、「『エシカル男子の会』をつくる会」立上げの趣旨についてプレゼンが行われました。ドロップアウトエリートから若年者のキャリア支援会社を起業した経験や、エシカルブランド「EDAYA(エダヤ)」のプロボノとして活動する中で感じたことなどをもとに、社会の変化に比して男性(特にマジョリティーと思われている会社員男性)の変化が遅れていること、しかし一部には変化に自覚的で実践を進める男性も増えていることが話され、当会においてそのような男性のロールモデルをシェアし広めることで、少しづつ社会へイノベーションをもたらしたいという意思表明がなされました。
さらに共同発起人の吉野庫之介より、男性のバリアフリー化を目指したいという表明があった後で、立上げ準備にかかわったメンバーたちよりもそれぞれの思いの発表がありました。
イベントのメインであるパネルディスカッションには、労働・子育てジャーナリストで内閣府や厚労省の委員も務める吉田大樹氏、LGBT教育等を全国で展開する特定非営利活動法人Rebit(リビット)の薬師実芳氏、大手広告代理店でのコピーライターを経て、エシカルブランド「VEGANIE(ヴィーガニー)」を設立した竹迫千晶氏、そしてオルタナS 副編集長池田真隆氏が、ファシリテーターの稲葉とともに登壇いたしました。
それぞれの活動紹介の後、稲葉よりの「エシカル男子という言葉をどう思ったか?」という問いかけに対して、竹迫氏が「エシカルファッションにはメンズが少なく、ついに男性が反旗をひるがえしたと思った」と答えたり、薬師氏が「当初男子という性別でくくることに違和感を覚えたが、そのような男性を増やしたいという活動として多くの人を包摂していることで納得した」という感想をのべるなどがなされました。
会場の参加者も交えたセッションでは、「パラレルキャリアが一般化すると、一つのことだけを一生懸命やる人の肩身が狭くなるのでは?」という問いに吉田氏が、「一つのことを追求していけば気づけば多面化していることがあるのでは」と答えたり、「LGBTの方たちは多様性を求めつつも、自分たちの仲間内でまとまってしまう傾向がないか」という問いに薬師氏が、「そういった点はあるので、相互が特別な思いを抱かずに一緒にいるインクルーシブな社会をつくりたい」と受けるなど、活発な議論がなされました。
そんな中で最も盛り上がったのは、「男子という名前だと若い男性という印象があり、本当に変化が必要な40~50歳代の中年男性を変えられないのではないか?」という学生からの問いかけでした。池田氏からは無関心層を取り込むことの難しさについての指摘もあり、これからの課題として再認識がなされました。
まとめとして薬師氏から、エシカルとはらしさにとらわれない、生きやすい生き方ではという発言があり、パネルディスカッションは終了となりました。
最後に稲葉より、次回のイベントとして学生たちにプロボノとしての働き方、社会との関わり方を伝える企画を来年1月18日(日)に開催する予定である旨の発表があり、ローンチカンファレンスは閉会いたしました。
閉会後も会場では参加者たちが楽しげに交流をしており、冒頭の「それぞれのエシカルを見つける場としてほしい」という呼びかけの通りに、自分なりの気づきを得ている様子が見られました。
たくさんの多様な方にご参加いただき盛会となった今回のイベントを励みとして、「『エシカル男子の会』をつくる会」では今後も社会に向けた様々な企画を実施してまいります。
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