日本最大級の環境活動展示会エコプロダクツ2014(主催:(一社)産業環境管理協会、日本経済新聞社)で、エコではなく「エシカル」を全面に掲げているブースがある。企業・NPO・大学合わせて1650のブースが出ているが、紅一点の存在感を放つ。活動そのものが社会性を持つエシカルの方向性について、ブース来場者全員で考えた。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

トークショーに出演した生駒芳子さん(左)と竹村伊央さん=12月11日、東京ビックサイト

トークショーに出演した生駒芳子さん(左)と竹村伊央さん=12月11日、東京ビックサイト

同ブースの呼びかけ団体は、エシカルファッションカレッジとエシカル推進協議会。企画協力として、リー・ジャパン、ピープル・ツリー、オーバー・ザ・レインボーなど複数社がいる。

日常にエシカルを取り入れた女性識者たちのトークショーや残布を使って動物を製作するワークショップなどが企画されている。同展示会は11~13日まで行われているが、10種類のトークショーと6種類のワークショップが実施される予定だ。

オーバー・ザ・レインボーの佐野代表によるワークショップの様子=12月11日、東京ビックサイト

オーバー・ザ・レインボーの佐野代表によるワークショップの様子=12月11日、東京ビックサイト

フェアトレードブランドのピープル・ツリーの鈴木史さん(右)と末吉里花さんのトークショー=12月11日、東京ビックサイト

フェアトレードブランドのピープル・ツリーの鈴木さん(右)と末吉里花さんのトークショー=12月11日、東京ビックサイト

ブース内には、エシカルの説明やアンバサダーたちが考えるエシカルの考え方が飾られている。アンバサダーにはファッションジャーナリストの生駒芳子氏やフリーアナウンサーの末吉里花さん、認定NPO法人ACEの岩槻由香代表ら20人。会場に訪れた人にも、「あなたにとってのエシカル」を紙に記入してもらい、壁に掲載している。

ブース内には、エシカルアンバサダーたちの考えが掲載されている

ブース内には、エシカルアンバサダーたちの考えが掲載されている

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エシカルは倫理的という意味の形容詞で、エコやフェアトレード、ボランティア、ソーシャル・ビジネスなど、社会に良いとされている活動の総称として使われている。この言葉は、1997年のトニー・ブレア首相(当時)のエシカル外交がきっかけで広がった。同外交では、ブレア首相がアフリカの植民地政策を進めるにあたり、「犠牲のうえに豊かさが成り立ってはいけない」と訴えた。

トークショーに登壇した生駒氏は、「エシカルの答えはみんなで考えていくもの。トレンドではなく、ずっと続いていくもの」と話す。「戦後の日本は、経済成長とエシカルな価値観で、経済成長を取った。しかし、今は里山資本主義など、犠牲のうえに豊かさが成り立ってきた経済とは相反する考えも出てきている。エシカルとは進むべき道を照らす哲学だと私は考えている。エシカルとは何か。この問いに、みんなで考えていきたい」。

来場者それぞれがエシカルを考えた

来場者それぞれがエシカルを考えた

エシカルファッションは新興企業だけでなく、ユナイテッドユースやアーバンリサーチなど有名ファッションブランドも取り入れている。さらに、児童労働や環境汚染の温床とされるファストファッションにも、その波は来ている。H&Mは2020年までに、取り扱う衣類すべてにオーガニックコットンを使用すると宣言し、ユニクロ(ファーストリテイリング)はデトックスキャンペーンとして環境への有害物質の使用をやめる方向だ。

同ブースの名称は、「世界をかえる!エシカルライフスタイル」。ブース番号は東5-903。エコプロの会場は、西と東に分けられているが、東会場の真ん中で、エシカルを発信している。事業活動の一側面だけでなく、活動そのものが社会性を持つエシカルな価値観。その経営姿勢やライフスタイルは、若者を中心に共感の輪を広げている。

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