ライフネット生命保険は「働く人への保険」として、就業不能保険を開発した。この保険は「病気やけがによる入院や在宅療養のため就業することができない」と医学的に判断された状態に対して保険金を給付する保険だ。家庭内の稼ぎ手が働けなくなってしまうことを考えると、就業不能保険はその時の生活のリスクを回避する大きな役割を担っている。(早稲田大学高野ゼミ支局長=石黒 真彩)
「夫が就業不能になった場合、どのくらいの期間家族が生活できるか」というアンケートを主婦にとったところ、半年間と答えた主婦が6割半、さらに8割半もの主婦が一年以内と答えた。
このような状況を開発者が目の当たりにして、「これはこれまでの医療保険でどうにかなる状態ではない」と実感したことが就業不能保険を開発することになったきっかけである。
一般的に会社員が働けなくなってしまった場合、公的に保障金を請求することができる。しかしあくまで支給期間は最長1年6カ月となっており、それ以上に療養が長期化した場合、収入が大幅に減少してしまう。それに比べて就業不能保険は、公的年金が受け取れるようになる65歳までその保障が続くことになる。
この保険は、「がん」「心筋梗塞」「脳卒中」などの特定の病名に対して保険金を給付するのではなく、就業不能という状態に応じて保険金を給付する仕組みである。
実際に住宅ローンを抱えているある家族は、一家の大黒柱である主人が働けなくなった場合に、ローンを払いながら家族全員が生活していくことの厳しさを考慮し、この保険に加入した。この家族にとって「何があっても住む家はある」という安心が生まれた。
就業不能保険はまだまだ認知不足であり、アンケートで「必要である」と答えた主婦が8割半なのに対して、「存在自体を知らなかった」という主婦が7割にも及ぶ。万が一、家庭内の稼ぎ手が働けなくなってしまったら…健康な「いま」そのように考えることは難しいが、「これから」の家族を守ることにつながっている。
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