2014年12月の衆院選では、20代の投票率は37.89%にすぎなかった。そんな中、選挙に関心がない人にも興味をもってもらおうと、2014年11月から「MAYOR」(メイヤー)という選挙シミュレーションボードゲームが販売された。このゲームを発案し、ゲームデザインを手がけたのは、「京都から生まれた全方向カルチャー発信型アイドル」と自称する女性クリエーター集団「やおよろズ」の一人、「まりえ先生」だ。(フリーライター・今一生)

市長選挙シミュレーションボードゲーム「メイヤー」

市長選挙シミュレーションボードゲーム「メイヤー」

「私の父親が政治家で、選挙を手伝った経験がありました。若い世代は選挙に関心が低いのですが、娘の立場から見た選挙の裏側をメールマガジンで紹介すると、興味をもってくれたのですね。そこで、選挙をこれまでと違うアプローチで語っていけば、関心をもってくれると思って、ゲームを作ってみたのです」(まりえ先生)

「MAYOR」では、プレイヤーの全員で市長当選を狙う選挙事務所の各担当者を受け持ち、作戦会議によって7日間以内に5つの町に対して選挙カーやポスティングなどの選挙活動を計画的・効果的に行うことで候補者当選を目指す選挙活動の協力型ゲームだ。

各プレイヤーは、候補者・家族・選対本部長・演説会担当・街宣担当・電話作戦担当・広報担当のどれかになり、自分の役割でできる活動を行う。

「用語や苦労などさまざまな選挙活動の要素が身に付きながら楽しめる」とネット上の評判も高い。1個4320円(税込)で7人まで同時に遊べる。

現在、すごろくや、テンデイズゲームズ、ゲームストア・バネスト、キウイゲームズ、ラウンドテーブルなどのネットショップで購入できる。

「開発費は、個人的な資金と、足りない分はクラウドファンディングなどで調達しました。ゲームを買って下さった方々やゲームイベントに来てくれた方々からは、『12月の選挙では見方が変わった』という声が届いています。おかげさまで、1年間で500個を販売するという目標を2カ月で達成しました」

やおよろズは「MAYOR」を大衆向けにしたものを使って「なりきりボードゲーム」というイベントを東京・大阪で主催してきたが、今年も開催予定という。高校や大学でも導入し、遊びながら選挙の面白さに気づく若い人が増えるといい。

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