三井不動産レジデンシャルは1月13日、学生コミュニティアイデアソンを開いた。アイデアソンは同社が運営する大崎のモデルルームで行い、学生たちは「10年後の暮らし」を考え、その場で実演し、動画に収めた。(オルタナS副編集長=池田 真隆)
当日集まったのは、コミュニティデザインや地域活性化に興味のある都内の大学生20人ほど。アイデアソンに入る前、三井不動産レジデンシャル事業創造部事業室主任の半田智彦氏が、マンション内でのコミュニティづくりについて説明した。
同社の街づくりの理念「経年優化」や、居住者間のコミュニティを形成するグリーティング活動について話した。住めば住むほど価値を感じるようになるには、マンション内でのコミュニティが重要と言い、災害時など共助が生まれることも話した。
その後、コミュニティ活動をしてきたゲスト2人が登壇。一人目は、ココロマチで地域プロモーション事業の編集や営業を担当する佐藤柊平氏。佐藤氏は東日本大震災を機に、復興支援活動と地域づくり事業を行ってきた。震災は「ライフスタイル」と「住まう」ことへの問題提起とし、コミュニケーションを生むコーディネーターの重要性を訴えた。
二人目は、草刈良充氏。草刈氏は、NPO法人iPledgeや株式会社マイファーム、Neighbors Next U26 Project事務局など複数の組織で働いている。草刈氏は、「あれもこれもは、意外とできる」をキーワードに、興味のあるプロジェクトにかかわる自身の働き方にいたった経緯を紹介。その後、10年後、都市では高齢化が進み、空き家が増え、新規着工件数が現状の92万戸から62万戸に減ることが予測されていると説明した。
ゲストによる講演後、アイデアソンを開始。参加者は4つのグループに分かれて、モデルルーム1部屋に2グループずつ入った。第1セッションでは、「最も居心地が良いコミュニティ」について考えた。居心地が良いと感じるコミュニティの条件をキーワードであげた。多かったのは、「刺激」や「変化」など、成長につながるもの、その次が「理解」や「認め合う」など安心感だった。
続いて第2セッションでは、家の中に求めるコミュニティと外に求めるコミュニティについての違いを話し合った。ほぼ全員が、家の中では、「安心感」を最優先で求めた。家の外では、能動的にコミュニティ活動をする一方で、家の中では一人の時間を確保しておきたいという。
最後の第3セッションでは、「10年後の暮らし」をテーマに、各グループで実演してもらった。その様子を、スマートフォンで15秒ほどの動画に収めた。動画は後日公開予定。
このアイデアソンは3回連続で行う。目的は、若者が考えるコミュニティを明確にすること。第2回目は1月28日に開催する。コミュニティをつくるといっても、単純に人と人をつなげるだけではない。100人いれば、100通りのコミュニティがある。
今回のアイデアソンは初回ということもあり、まず、マンションコミュニティに特化して考えてもらうことよりも、参加した学生それぞれに「理想の暮らし」について聞いた。理由は、10年後に実現させたい暮らしが具体的になれば、住まいの形も自然と見えてくると考えたからだ。第2回目では、1回目の参加者があげたキーワードをもとに、深堀していく予定。参加者受付はこちらから。
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