真っ暗闇の空間で、大切な人のためにできることを語り合う。防災をテーマとした体験プログラム「対話のある家」<大切な人を大事にしたい>が、2月21日から4月13日まで、グランフロント大阪内の積水ハウス「住ムフムラボ」で開催される。同社と、完全に光を遮断した空間の中にグループで入るイベントを展開する「ダイアログ・イン・ザ・ダーク(DID)・ジャパン」がコラボレーションして2013年4月から実施する関西初の長期プログラムだ。(オルタナS関西支局特派員=高野 朋美)
同プログラムは、阪神・淡路大震災から20年を機に1月17日~4月13日まで行われている住ムフムラボ内の防災企画「皆で考えよう暮らしの防災力」と連動している。
まだ夜が明け切らない午前5時46分。震度7の激しい揺れが襲った阪神・淡路大震災。地震に遭遇した人たちは、視界のきかない闇の中で、大切な人の安否を気遣い、不安を募らせた。
この体験を踏まえ、あえて暗闇の中で、「大切な人を守るため、今できること、しなければならないこと」を家族のように語り合う。暗闇のエキスパートである視覚障がい者の「アテンド」によるサポートのもと、光のない非日常空間をグループで体感し、思いを語り合いながら、防災を自分のこととして捉えてもらうのが目的だ。
なお、語り合いの中で生まれた気づきやアイデアは、4月下旬に行われる一般生活者とDIDのアテンド、積水ハウスとの共創研究ワークショップでも活用。今後の防災研究開発にも生かされるという。
DID「対話のある家」は、これまで約6900人が暗闇での語り合いを体験している。参加者からは、「普段何気なくつないでいる子どもの手に、実は自分が安心させられていたことに気づいた」「本当にいろいろ考える。感動からか泣けてくる」などの感想が寄せられている。
サポート役である視覚障がい者の一人は、「暗闇は、一番近くにある愛おしいものを感じさせてくれる場。対話のある家は、目に見えない尊い宝物を共有できる家」とコメント。暗がりを通して、人の心に小さな火が灯っているようだ。
■とき
2015年2月21日~4月13日(火・水定休)午前11時より 1日4回開催(所要時間90分・完全予約制)
■ところ
グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル4階 積水ハウス「住ムフムラボ」内
■参加チケット料金 (税込)
大人3,500円 学生2,500円 小学生1,500円
ダイアログ・イン・ザ・ダークHPから予約
http://www.dialoginthedark.com/