外国にルーツをもつ児童らは、日本では言語の問題から授業についていけなくなったり、算数や理科などの専門用語の理解に苦労している。そこで、明治大学の学生ボランティアチームが、キャンパス近隣に暮らす外国籍や外国から帰国した児童らを対象にした学習支援教室「なかのハウス」を5月24日、6月7日、21日の3日間、中野キャンパスで開催する。(今一生)

3月に試験的に実施した「なかのハウス」の様子

この支援教室を企画したのは、中野キャンパスに通う国際日本学部の2年生9人。該当する児童についての現状を授業で学び、「地域の子どもたちのために何かできることはないか」と昨年ボランティアチーム「なかのーばる」を結成した。現在は、総合数理学部や他キャンパスに通う学生も加わり、総勢13人で活動を続けている。

「学生自身がフェイスブックなどを用いて自ら情報発信を行うとともに、児童への参加の呼びかけについては中野区教育委員会などにご協力いただき、各区立小学校に案内をしている。参加学生からは活動後に意見や感想を文書で提出してもらっており、自ら企画し活動を実現させていく中で学生どうしの話し合いや大学側との折衝の場面などで成長の様子が伺える」(明治大学中野ボランティアセンター)

明治大学では、情報コミュニケーション学部の「組織とコミュニティコース」や公開講座などでソーシャルビジネスを学べるチャンスがあり、現役の社会起業家も登壇している。しかし、ボランティア活動の持続可能性を担保できるよう、課外活動に自発的に参加する学生たちにこうした講義が知らされる仕組みはまだない。

全国では既に学生時代にソーシャルビジネスを興す大学生が珍しくなくなっている今日、大学側には講義カリキュラムと課外活動を有機的に結びつけることによって大学自体の価値向上を図ることが求められている。

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