人の手に触れることや、美しくメイクアップすることで、被災者や避難者の心が少しでも前向きになれば――。

そんな想いで2012年2月に発足した「心人(こころびと)プロジェクト」。大阪の老舗化粧品メーカー、ナリス化粧品(大阪市)の美容スタッフによる、東日本大震災で被災した女性への継続的な支援活動だ。その活動が、2月28日、京都大学で開催される福島県避難者支援イベント(主催:NPO法人知的人材ネットワークあいんしゅたいん)で、通算100カ所目を迎える。(オルタナS関西支局特派員=近藤 浩己)

お互いが自然と笑顔になる 写真提供:ナリス化粧品

お互いが自然と笑顔になる 写真提供:ナリス化粧品

東日本大震災の避難住民は、発生から約4年経過した今でも全国に約23万人いる。故郷を離れ、慣れない土地での生活が長引くことで孤独を感じている人も少なくないという。

プロジェクトでは、自らを「心人」と名乗るナリス化粧品のスタッフたちが、東日本大震災の被災地や避難所で、無料のハンドマッサージやメイクアップレッスンを行っている。ハンドマッサージには、直接手に触れることで緊張を緩和し、心を和ませる効果がある。

マッサージを受けながら被災した話や日頃の悩みを話すうちに、表情が柔らかくなる被災者が多く、「家族にも、ハンドマッサージをやってあげたい」といった感想も寄せられているという。
 
近年、ハンドケアやメイクアップは自信や自己肯定感につながり、「化粧療法」として注目されている。ナリス化粧品は、1996年から化粧療法の研究を続けている業界のパイオニア。その理論と美容技術が生かされ、独自の被災者支援につながった。

同プロジェクトでハンドマッサージやメイクアップを受けた被災者は、これまで約4500人。今後も「1万人を笑顔にする」を目標に、活動を続ける。

2月28日のイベントでは、メイクレッスンを中心に開催。同社は「今後も被災者女性の一人ひとりの心身に寄り添いながら、継続的に活動していきたい」としている。

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