大阪・梅田スカイビル(大阪市北区)の北側に隣接する水田で6月15日、近隣の大淀小学校5年生、61人が田植えを体験した。積水ハウスによる教育支援活動の一環で、夏には除草作業、秋には稲刈りも行われる予定。梅雨晴れの空の下、子どもたちは笑顔で裸足の泥んこ作業に汗を流した。(オルタナS関西支局特派員=土井 未央)

泥の感触を楽しみながら、手植えをする子どもたち

泥の感触を楽しみながら、手植えをする子どもたち

田植え体験が行われた水田は、日本の原風景である里山を再現しようと、積水ハウスら地権者によって2006年に造成された「新・里山」の一角にある。約8000㎡の敷地内には、水田以外にも野菜畑、雑木林、竹林、茶畑などが拡がり、鳥や昆虫類、絶滅危惧種の野鳥が訪れるなど、都心においてまさに昔ながらの里山風景を望むことができる。

オフィスワーカーや近隣住民、観光客にも親しまれる「新・里山」

オフィスワーカーや近隣住民、観光客にも親しまれる「新・里山」

ここで恒例イベントになった、小学生による田植え体験も今年で9回目。参加した大半の子どもたちが田植え初挑戦で、「足が冷たい!」「ぬるぬるする!」「おたまじゃくしがおった」と大騒ぎ。指導員の声がけに従い、ぎこちない手つきで苗を植える。作業を終えた、馬 康晴(ま こうせい)君(10歳)は「農家の人の苦労が分かった。収穫したお米で、カレーライスを作りたい」と話した。

この日植えられた約3000株のキヌヒカリの苗で、秋には15~20㎏のお米が実るという。収穫までに、子どもたちは品種や消費量などお米について調べ、グループごとに発表を行う。収穫後は、透明の鍋で吸水の時間や火加減の調整、お米が炊きあがる様子を観察するなど、農作業体験を通して様々な学びに繋げていく。

同小学校担任の髙坂今日子先生は「毎年、田植えを体験した児童は水田に愛着が生まれ、授業以外でも保護者と一緒に見に来るようです。自然環境が乏しい都会に育つ子供たちにとって、ここは気軽に立ち寄ることができる貴重な体験施設ですね」と話した。

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